Z世代(ゼットせだい)、というキーワードをよく目にするようになりました。
「Z世代」はWikipediaでは次のように出ています。
・概ね1990年代中盤から2000年代終盤、または2010年代序盤までに生まれた世代のこと
・生まれながらにしてデジタルネイティブである初の世代である
つまり、2022年現在からみて「中学生から大学新卒くらいの若者」ということになります。
この「○○世代」というのは、これまでも定期的に話題になってきたワード。
世代論には僕はやや否定的なので、少し調べてみることにしました。
なぜ「Z」なのか
なぜZが付けられたかというと「Y世代の次だから」と書かれていて、「調べてみたらその説明がまた分からなかった」的な状況です。
2022年現在からみて遡りながらまとめると・・
Y世代(ワイせだい)=20代中盤〜40代前半
・成長過程においてIT革命を経験した世代
・ミレニアル世代とも呼ばれる
X世代(エックスせだい)=40代中盤〜50代後半
・ベビーブーマーの次の世代
・第13世代とも呼ばれる
なんだか聞いたことがあるような無いような、といった感じです。
生まれた時代が思考に影響するのか
考えてみると、他にも「世代」はよく使われています。
団塊の世代、という言葉は、その筆頭かと思います。
少し前に「お笑い第8世代」というキーワードもよく聞きました。
マーケティング業界でも「M1層」とか「F1層」という言葉があり、広告業界にいた頃は実際に営業現場でよく口にしていました。
生活する環境、生きてきた時代に、思考や行動が大きく影響されるのか、ネーミングでくくるのが好きなんですね。
まとめることで、説明やコミュニケーションが楽になるから、という理由もある気もしますが。
県民性や血液型の性格分析なども、くくり方の一つですね。
Z世代について知りたいのは誰なのか
Amazonで「Z世代」と検索すると、次のようなものが出ました。
例)
『Z世代マーケティング』
『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』
『Z世代・さとり世代の上司になったら読む本』
『超Z世代に学ぶバズテク図鑑』
Z世代について知りたい・調べたいのは、マーケティング業界やコミュニケーションを円滑にしたい人たち、ということなのでしょう。
「世代が違うと、違う生き物(に感じる)ので、どんなことを考えてるのか知りたい」
データを通じて、意味づけをしたくなるのも理解はできます。
今年の夏から本格的にショート動画の投稿を始めました。
TikTokに関していうと、再生数がどんとハネた投稿は、同世代が多く見ているというのも気味が悪い。
YouTubeにせよ、Instagramにせよ、近年のツール類にはアナリティクス機能がついています。
ここで、視聴者やアクセスの年代もわかる。
これも、世代論につながりやすい理由の一つになってるのではないかと思います。
自分がZ世代だった頃、何を考えていたか
たしかに、同じ世代の人たちは、同じような音楽、映画、ニュース、流行などに触れてきたので、考え方や好みに共通点が生まれやすいのかもしれません。
自分が今のZ世代の年齢だった頃、つまり、中学生から大学を出るくらいまでの頃を思い返してみました。
(世代論は「生まれた時代背景」をもとにしているので、自分がその世代だった頃、という仮定は正しくないとは思いますが)
当時は、自分は人とは違うんだ、というのをいつも考えていた気がします。
大学を休学して一人旅に出たのもその一環でしたが、後にその行為がとてもステレオタイプだったことを知ります。
「誰も行かないところに行こう」と、旅先の一つに選んだのがクロアチアの首都ザグレブでした。
市内の安宿に荷物を下ろしていると、日本人2人組が入ってきました。
彼らの会話を聞くともなしに聞いていると、彼らが口にする日本の街の様子がどうも引っかかる。
声をかけると、同じ大学・同じ学部の一学年下だと判明しました。
彼らは言いました。
「誰も行かないところに行こうと思って」と。
この頃から、僕は「逃げられないお釈迦様の手」みたいなものを感じるようになります。
(注釈:『西遊記』の最初の方のエピソードで、孫悟空が筋斗雲に乗って遠くまで行くが、お釈迦様の両手の間だった)
まとめ
ビッグデータが収集・解析しやすい時代では、人々の傾向を知ることはできるし、積極的に利用すべきなのだと思います。
でもやっぱり、個々人は個性的であり、一人一人違う、と思いたい。
世代論は、マスを相手にする大企業や大手メディアのため、はたまた論客のためのもの。
世代論を過剰に意識してしまうと、提案や作るものも似通ってしまう。
目の前の一人一人のお客さんの声を聞きながら生きている僕には、あまり関係ないなと思うようにしています。