皆さんはNTTドコモ、KDDI（au）、ソフトバンクの大手携帯キャリア3社が2021年3月から続々とサービスを開始した新料金プランについてご存知でしょうか。
NTTドコモからは「ahamo(アハモ)」、auからは「povo(ポヴォ)」が新料金プランとして、ソフトバンクからは「LINEMO(ラインモ)」が新ブランドとして登場し、いずれもオンライン専用の格安料金プランとなっています。
3社の新料金プランはどれも月額2,000円台。これまでの携帯料金と比べると驚くほどの低価格で、発表された際には大きな注目を集めました。
しかし、従来と比べて安くなりすぎているため、逆にどうしてそこまで安くなっているのかがわからず、乗り換えるのは不安に思っている方も少なくないはずです。
そこで今回は、3社の新料金プランの特徴を比較し、どういう人におすすめできるプランなのかを解説していきます。乗り換えを検討されている方は是非参考にしてください。
なぜ安い？ 乗り換える際の注意点
新料金プランはなぜ従来のプランよりも安くなっているのでしょうか。
実は、新料金プランではこれまで使えていたサービスが使えなくなるなど、制限がいくつかあります。従来のサービスを最小限に削減することで安さを実現しているのです。
安いという理由だけで乗り換え、あとから困ることのないように、乗り換えるにあたっての注意点を説明します。
オンライン専用の料金プラン
新料金プランの最大のポイントは、すべて「オンライン専用サービス」という点です。
新料金プランを利用するための申し込みや、何か問題が起きた際の問い合わせや相談は、すべてオンラインのチャットでのみ受け付けています。店舗で契約したり、わからないことを店員に相談したり、電話で問い合わせをすることはできなくなります。サポートをすべてオンライン限定にすることで、人件費などを削減しているのです。
キャリアメールが使えない
キャリアメール（xxx@docomo.ne.jp、xxx@ezweb.ne.jp などのキャリアが提供しているメールアドレス）が使えなくなる点にも注意が必要です。キャリアメールで登録しているサービスがある場合は、そのサービスのメールアドレスの設定を変更しなければなりません。
留守番電話機能がない
新料金プランでは留守番電話機能も使えなくなります。2021年9月現在、留守番電話機能はどの新料金プランでも利用することができず、オプションとして追加することもできません。乗り換え後は一切使えなくなると考えておいたほうがいいでしょう。
家族割などの割引が適用されない
家族割やネット回線とのセット割引など、各種割引サービスが適用外になる点にも注意しましょう。例えば、家族でドコモのスマホを使っていると家族割が適用されますが、誰かが同じドコモの新料金プランの「ahamo」に変更すると、その人は家族割の適用外となってしまいます。割引額が減っても新料金プランに乗り換えたほうが安くなることが多いですが、いくら安くなるのかは事前に計算しておきましょう。
SIMロック解除が必要なケースも
新料金プランへの乗り換え時に、場合によってはSIMロック解除が必要になるケースがあります。SIMロックとは、スマホ購入時に契約した携帯会社以外のSIMカードを使えないようにすることです。以下の両方に当てはまる場合はSIMロック解除手続きが必要となります。
・手持ちのスマホをそのまま使って料金プランを変更したい
・別のキャリアへの乗り換えの場合(au→ahamo , ソフトバンク→povoなど)、あるいはソフトバンクからLINEMOに乗り換える場合
SIMロック解除手続きは手順が少し複雑なうえ、契約している携帯会社や対象のスマホの機種によって方法が変わってくるため、手順を調べながら進めていく必要があります。自分で調べて進めるのが苦手な方にはハードルが高いかもしれません。
大手キャリア3社の新料金プラン比較と注目ポイントの解説
続いて、大手携帯キャリア3社の新料金プランの特徴を比較し、注目すべきポイントについて解説します。それぞれの公式ホームページの情報をもとに、基本料金などのデータを比較表にまとめました。
ここからは、表の注目すべき点について解説していきます。
データ容量3GBのLINEMOのミニプラン
LINEMOにはプランが2つ（ミニプラン、ベーシックプラン）用意されています。他2社はデータ容量が20GBのプランのみ提供されています。LINEMOのミニプランは自宅にWi-Fi環境が整っているなど、普段あまりデータ通信をしない方に適したプランといえるでしょう。
通話料金はahamoのみ5分以内無料
povoとLINEMOは月550円支払うことで5分以内の通話がかけ放題となりますが、ahamoは5分以内の通話は追加料金なしで無料です。ahamoは他2社と基本料金だけを比べると若干高いですが、5分以内の通話料定額オプションを含めると、ahamoの方がお得になります。
ahamoは追加料金なしで海外でのデータ通信が利用できる
ahamoは追加料金なしで、海外の82の国・地域でのデータ通信が利用できます。LINEMOでも国際ローミングに対応していますが、通信料が別途かかってしまいます。海外での利用という点だけで考えると、追加料金なしで利用できるahamoがお得になっています。
povoの220円で24時間データ使い放題サービス
povoは24時間データ使い放題サービスが魅力的です。220円払うと24時間はデータ残量を消費せずにデータ通信ができます。専用のアプリから簡単に契約でき、契約後すぐ使用可能になるうえ、テザリングでの使用も可能。利便性が非常に高いです。テザリングでPCをネットに接続し、外出先で仕事をするなどの使い方もできます。
LINEのデータ通信料がカウントされないLINEMO
LINEMO独自のポイントとして注目すべきは「LINEギガフリー」です。これは、LINE使用時のデータ通信がデータ使用量にカウントされないというサービスで、LINEでビデオ通話や写真・動画のやり取りなどの大量のデータ通信をおこなっている人ほどお得になります。
また、2021年9月現在では、LINEMOのスマホプラン契約者を対象に、LINEスタンプのサブスクリプションサービス「LINEスタンププレミアム」に加入すると毎月LINEポイントが240ポイントもらえるキャンペーンを実施しています。これによって、LINEスタンププレミアムのベーシックコースが実質無料で利用可能です。このようにLINEMOはLINE使用に特化したブランドとなっています。
まとめ
ここまでの情報をまとめると、海外でのデータ通信を行う人にはahamo、データ通信の使用量が月によってまばらで安定しない人にはpovo、データ通信を普段ほとんど使用しない人やLINEのデータ消費が大きい人におすすめなのがLINEMOといえます。
また、以下のような人なら新料金プランに乗り換えて失敗することはないでしょう。
- 何か問題が起きたときに自分で調べて解決できる人
- 店頭でのサポートや電話での問い合わせが不要な人
- 家族割などの割引を受けていない人
特に重要なのは、オンラインのみのサポートに切り替わっても平気か、という点です。オンラインのみのサポートになっても問題がなければ、きっと新料金プランの恩恵を受けられるはずです。
この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょう。
