【検証レポート】プレミアプロ/iPhone版を試してわかったこと

今年2025年は、「スマホ動画編集アプリ」の当たり年かもしれません。

5月に、Meta社の「Edits」が登場し、個人的に大騒ぎしていたばかり。
そして今月(10月)、動画編集ソフトの雄「Premiere Pro(プレミアプロ)」のiPhone版がリリースされました。
なんと無料。

PC版Premiere Proを長年使ってきた身としては、「どこまでやれるのか?」という期待を胸に、さっそく触ってみました。

ざっくり使ってみた:AI生成や音声強化などが進化

『Adobe Premiere(iOSアプリ)』
https://apps.apple.com/jp/app/id6742757464

対応はiOS 17以降。
これまでAdobeが提供していた動画編集アプリ「Premiere Rush」を置き換える存在になるようです。

起動すると、まずAdobeアカウントでのログインを求められます。
なるほど、Adobeらしい。
ログインなしでも基本操作は可能ですが、機能には一部制限があるようです。

全体的な操作感は、一般的な動画編集アプリと似ています。

面白いと感じた機能は次の通りです。

◎効果音生成
効果音素材はどのアプリにもありますが、探すのが意外と手間。
それを自動生成してくれるのは地味ながら実用的で、現場ではかなり助かります。

◎Enhance Speech(スピーチ強化)
ノイズの多い録音でも話し声をクリアにしてくれるようです。
精度についてはさらなる検証が必要ですが、ノイズに悩まされることは多いのでありがたい機能です。

◎生成AI機能
「画像から動画生成(拡張)」では、静止画に動きをつけられます。
「画像を展開」では、縦素材を横画像に変えることも可能です。

さらに動画生成もできますが、これら「生成」はクレジットを使うので、「無料機能」という思考からは外した方がよさそうです。

個人的に「これはすごい」と思った機能2つ

【1】指先で素材をどんどん重ねられる

他のアプリでも、素材を重ねることはできます。
ただこのアプリは「指で動かし、入れ替えができる」点がすごい。

階層編集の自由度がとても高いのです。

【2】1フレーム単位での微調整が可能

これが本当にすごい。
スマホで1フレーム単位の編集ができるようになったのは革命的です。

これまで研修で「言い間違いの細かい修正は、アプリでは難しい」と話してきましたが、訂正が必要になりそうです。

今後に期待したい機能

◎背景除去ツールはもう一歩
人物の自動切り抜きはできますが、「手元だけ切り抜きたい」といった細かい用途にはまだ不向き。
僕はスマホ特撮のワークショップで合成を扱うことが多いので、この点は少し気になりました。

◎PCとの連携が“次の武器”になるか
注目したいのはクロスデバイス連携です。
スマホで編集したプロジェクトを、デスクトップ版にも共有できる。

「外でiPhoneで編集 → オフィスでPC版で仕上げる」という流れ。
現時点(2025年10月)ではBeta段階ですが、これが実現すればワークフローが一変するかもしれません。

まとめ

従来のスマホ動画編集アプリは「アプリ単体でどこまでできるか?」が話題でした。
一方、Adobe Premiere(iOSアプリ)は「普段Premiereを使う人がスマホでも作業できる」方向に進化した印象です。

外出先でも、ちょっとした時間で本格的な編集ができる。
この流れはとても前向きに感じます。

ただ映像講師として、初心者に最初の一本として勧めるなら少し迷うところ。
iPhone限定という点もハードルになります。
(まあ、Android版は開発中とのことなので、いずれ登場するでしょう。)

とはいえ、「1フレーム単位の編集」は本当にすごい・・。

「スマホ=ざっくり編集」というイメージが、いよいよ変わりそうです。

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