1990年代に突入。
勤務していた新聞社の編集局にはショルダータイプの携帯電話があったけど記者たちがどの程度使っていたかは知らない。
私は友人の勧めで個人で携帯電話を購入した。比較的早かったほうだったと思う。たしか5、6万円の機種代がかかった。お気に入りはソニーのジョグダイヤル。当然インターネットもメールもまだ存在していない。
“メッセージ”とはボタンを押すことだった
ポケベルは皆持っていたけど、携帯電話は持っている人も持っていない人もいた時期があった。ポケベルが鳴ったら、固定電話もしくは携帯電話で折り返す。フリーランスのようなスタイルで働き始めた30歳の頃がその時期だった。
会社経営者の先輩に事務所の一角に間借りさせてもらって電話とファックスを引いて仕事をしていた。
近所に住む母の妹、叔母に電話番を頼んでいた時期があって、ある日オフィスに戻ると、受話器を置いた叔母が「『メッセージの後シャープを押してください』っていうから、しゃべったんだけど、うまくいかないの」と言ったので、笑った。
当時“メッセージ”とはポケベルや電話の数字のボタンを押して送ることだった。
パソコン時代が始まった
1995年は、阪神淡路大震災とオウム真理教による地下鉄サリン事件など騒然とした印象の強い年だったが、海外旅行好きの私にとっては超円高の印象が強かった年でもある。
そして、インターネット以前のビジネスレボリューションは「Windows95」。これからパソコン時代が始まったのだ。
《つづく》