<撮る側><撮られる側>、それぞれの言い分

<撮る側>の人間は皆、演技の体験をした方がいい、と常々思っています。
<撮られる側>の気持ちがわかるようになるからです。

カメラを向けられるのが、プロの役者なら問題ないでしょう。
彼らはそういう体験、経験を積んでいる。

しかし今は、<撮られる側>が一般の人であることも少なくありません。
だとしたら、<撮る側>はそれを意識した演出をしなければならない。

<撮る側>と<撮られる側>、それぞれの言い分について書いてみたいのです。

 目次
  • 演者からはスタッフの様子が丸見え
  • 先生からは生徒の様子が丸見え
  • 出演者からは撮影現場の様子が丸見え
  • 相手の緊張をほぐすのも、撮る側の役目
  • 相手の焦りを抑えるのも、撮る側の役目
  • 自分がどう見えているかを知るのも、撮る側の役目
  • 演者からはスタッフの様子が丸見え

    僕は学生時代、演劇活動をやっていて、演者としても舞台に上がっていました。

    その稽古中、僕はたまにイラっとしてたんです。
    こっちを見てニヤニヤしているスタッフ側の人間に。

    何笑ってんだよ。
    こっちは必死にやってんだよ。

    他にも、雑談に夢中な人、遅れてくる人、つまらなそうにボーッとしてる人・・
    演技をしている僕らには、演出家の後ろにいるスタッフの様子がよく目に入ったのです。

    ところが、いざ自分がスタッフになってみると、考え方は逆になります。

    演者は自分たちの役目があり、演出家ともひんぱんに会話をする。
    それに引き換え、スタッフの僕は、ただただ待つ時間が多い。

    そりゃあ雑談もしますよ。
    つまらない時間もありますよ。

    先生からは生徒の様子が丸見え

    中学・高校のころ、授業中によく絵を描いていました。
    教科書の隅にパラパラ漫画を描いたり、先生の似顔絵を描いたり。

    それは先生には気づかれてないと思っていました。
    自分は、うまく優等生を演じていたと思っていました。

    社会人になってからセミナー受講中に眠くなった時も、バレないようにそっと目をつむったり、なんてこともあります。

    それから年月が経ち、自分自身が講師をやるようになってから、わかりました。

    先生からは、すべて、見えている。

    全員の様子が、手に取るようにわかる。
    一人一人、隅々まで。

    講師として話しながら、(あ、寝た・・)というのもわかる。
    (あ、表情が変わった)(つまらなそうだな)なんてのもわかる。

    以前、あるセミナーを受けたとき、その後の懇親会で登壇者に名刺交換に行ったら開口一番、「よくうなづいてくれてた方ですね。ありがとうございます」と言われたこともありました。

    その日、受講者は50人くらいいて、僕は端っこの方に座ってたのに。

    登壇者には、見えている。

    出演者からは撮影現場の様子が丸見え

    初心者向けの映画制作体験ワークショップを続けて20年。

    僕は主宰者なので、少し離れたところから全体を見ることが多いです。
    そして撮影現場で、あっちからこっちから、メイキング写真を撮ります。

    撮影隊からすると、目に入るのはカメラと役者だけ。

    続いて役者の方から見ると・・・ものすごい「圧」なんです。
    大勢が必死な表情でカメラや役者を見て口々に考えを言葉にする。

    監督の考えがまとまらない時などは、違う方向の意見も飛び交う。

    僕は写真を撮りながら、「演出が無茶」になってないかチェックしています。
    あいまい過ぎる指示じゃないか、とてもできそうにないことを要求したりしてないか。

    相手の緊張をほぐすのも、撮る側の役目

    自分が<撮る側>にいるとき、<撮られる側>からどう見えているかがいつも気になります。

    演出の仕事というのは、こちらの希望通りやってもらうことだけでなく、相手の緊張をほぐすこと(話しやすい環境を作ること)も含まれると考えます。
    撮影する相手が、撮られるプロではない素人さんなら、なおさら。

    そもそも、インタビュー相手を緊張させるのは、外野です。

    いくらこちらで「大丈夫ですよ」と言ったって、相手の目にはカメラの後ろに何人もスタッフが見えている。
    だから、その場にいる人を減らすのも演出の一つ。

    僕のワークショップは、よく「見学したい」と頼まれます。
    が、これまで全て断ってきました。

    ただ眺めてるだけの人間が、参加者の視界に入るのが嫌なのです。

    相手の焦りを抑えるのも、撮る側の役目

    一般の方は、カメラを向けられると焦ります。
    自分のせいで撮影がうまく進まなかったらどうしようと、焦ります。

    焦りの中で圧倒的に多いのは、「長いセリフを覚えられない焦り」です。
    素人役者に、長いセリフを言わせること自体、無理がある。

    僕のワークショップではプロの役者を使っていますが、時々、参加者に出演してもらうこともあります。

    それが事前に分かっていれば、課題シナリオを用意する際に、「参加者のセリフは削りに削ること」をシナリオライターにお願いしています。

    自分がどう見えているかを知るのも、撮る側の役目

    僕は、自分が<撮る側>にいるときは、なるべく笑顔でいようと意識しています。
    <撮られる側>から最初に目に入るのは、指示を出す人間の顔だから。

    もちろん、笑顔が適切ではないこともありますが、それでも眉間にシワを寄せるのはよくない。

    ここで知っておきたいのは、『自分が真顔の時、他人にどんな印象を与えているか』です。

    講師をやっていると、多くの「話を聞く顔」を見ることになります。
    それらはたいてい「素の顔」。

    ちょっと想像してみてください。
    自分が参加したこれまでのzoom会議中の聞いてる人の顔で、魅力的な表情の人はいたでしょうか?

    <撮る側>になったときも、演出家以外のスタッフは「素の顔」が多いように感じます。
    ここがすごく気になる。

    だから僕は、カメラマンもスタッフも、撮影中笑顔になる人を選びます。

    “撮影中の雰囲気が柔らかい”

    これもまた、<撮る側>のスキルの一つだと思うのです。

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