今年は例年よりも日本各地でクマの出没が相次ぎ、もはやニュースで目にしない日はありません。
山奥だけでなく住宅地や通学路、商業施設にまで姿を現すケースもあり、誰もが気をつけなければいけなくなってきました。
そんな中で注目されているのが、クマの出没情報を地図上で確認できる「クマ出没マップ」です。
ただし、これまでは各自治体が独自に情報を発信していて、形式や更新頻度もまちまちでした。
ある県ではPDF、別の県ではExcel、また別の地域ではWebページやSNSなどと情報が点在。全国的に統一されたマップはなかったのです。
このため、例えば複数の都道府県をまたいで登山や旅行をする場合、「A県には情報があるのに、隣のB県では確認できない」「形式が違って比較できない」といった問題がありました。
情報が統一化されていないことは情報の見落としにもつながるため、安全対策の上で大きな課題となっていたのです。
全国の出没情報を一元化した「クママップ」が登場!
こうした課題を解消する目的で登場したのが、「クママップ」というウェブサイトです。

このサイトでは、全国47都道府県から公表されている出没・目撃情報を収集し、サイトに寄せられた出没情報と合わせ、ひとつのマップにまとめて公開しています。
2025年11月現在ですでに9万件以上のデータを掲載。毎日(1日2回)自動的に更新されています。
地図上では「どこで・いつ・どのような出没があったか」を視覚的に確認でき、地域や時期ごとにクマの活動傾向をつかむことが可能です。
ニュースになることの多い秋田県の中心部、秋田駅周辺をクママップで開いてみると、ものすごい数の目撃情報が寄せられていることが視覚化されました。

また地域ごとの出没情報や、クマの活動が活発なエリアをまとめたページも用意されています。


出かける前にマップで安全チェックを!
登山やキャンプ、紅葉シーズンの散策などで山間部や里山に出かける際には、クママップを活用して最近の出没状況を確認しておくと安心です。
自分が訪れる地域の周辺にどの程度の目撃情報があるのか、どの時期・時間帯に活動が多いのかを知るだけでも、危険を避ける判断材料になるでしょう。
特に最近は都心部の近くでもクマの目撃情報が驚くほど寄せられています。例えば、JR中央線ですぐにアクセスできる身近な山「高尾山」についてもまとめたページが用意されていますが、何件もの目撃情報が記録されていました。

「高尾山なんて安心だから」と油断は禁物。事前にクママップを調べて準備し、場合によっては出かける時間帯を変更したり(早朝や夕方の薄暗い時間帯を避けるなど)、一人ではなく複数人で出かけるなど、できる範囲の対策をしたうえで自然を楽しみたいものです。
みなさんもお出かけの前にはぜひクママップをチェックしてみてください。
※クママップは「すべての出没情報をリアルタイムで完全に網羅するものではない」と注意書きがあり、あくまで参考情報として利用することが推奨されています。


