「こんなのがあるのか!」と驚いたのが、生成AI作品の映画祭です。
AI FILM FESTIVAL
https://aiff.runwayml.com/
どんな作品があるのか、一般的な映画祭と何が違うのか、調べてみました。
AI FILM FESTIVALとは
正式名称は「Runway AI Film Festival」だそうです。
Runwayは、動画生成AIで有名になったAIプラットフォームですね。
<概要>
2022年に設立され、映画制作に新しいAI技術を取り入れるアーティストとその作品を祝うイベントです。
AI映画制作の最前線にある不可能を祝うこのイベントでは、毎年数百件の応募があり、審査員がわずか10作品をファイナリストとして名前を挙げます。
(解説 by ChatGPT)
<応募ルール、応募要項>
さまざまな新しいAIツールを映画制作プロセスのメインとなる要素として組み込んだ映画 (物語または実験) を募集。
・長さは 1~10分。
・作成プロセスに AIを活用したツールを使うこと。
・Runwayリンクを使用して応募すること。
<賞金>
グランプリ:$15,000 + 1,000,000 Runway credits
一番下の賞:$500 + 100,000 Runway credits
グランプリの賞金はなかなかですね。
日本でもっとも有名な映画コンテストの一つ「ぴあフィルムフェスティバル」のグランプリ賞金が100万円ですから、ゆうにその2倍以上(2024.3.4現在のレート)。
それよりも、Runway credits(生成に使えるポイントみたいなもの)もついてくるのが面白いと思いました。
僕が25年前くらいに参加した映画祭では、賞金のほかに「フィルム」も副賞としてついていたのを思い出します。
<審査員>
審査員のバックグラウンドを見てみると、なるほどそうか、といった印象です。
・映画プロデューサー
・映画/TVプロデューサー
・アーティスト
・マーケティングの国際部門リーダー
・ドキュメンタリー会社
・映画監督
・runwayの企業の人たち
<パートナー企業>
こちらも興味深い。
・コカ・コーラ
・YouTube
・Nvidia(人工知能コンピューティング会社)
・ゴールドマン・サックス
・Runway
・ACE(アメリカ映画編集者協会/American Cinema Editors)
首を傾げる企業名もありますが、これも企業投資の一種なのかもしれません。
▼受賞作品を見てみた
一体、どんな作品が集まっているのか気になりますね。
前回、2023年の受賞作品はこちらで見られます。
https://aiff.runwayml.com/2023
一通り見ましたが、イメージ動画や実験映像、風景動画からミュージックビデオ、ホラー映画など、幅広いラインナップ。
これは好み以外の何物でもありませんが、僕としてはストーリーがあった方が楽しめました。
そういう意味で、この中での私的な一番は『AI ARTIST』。
ただ、『Expanded Childhood』で使われていた、「子供の頃の写真を、生成AIで拡張する」というアイデアは、ぜひ自分でもやってみたいと思いました。
また、見ていて気分が悪くなる作品もありました。
AIを映画に組み込むということ
応募条件の一つ、「作成プロセスに AIを活用したツールを使うこと」は、取りようによっていくらでも言い分が立ちそうです。
部分的にAIで生成した画像を使ったり、音楽を使ったり。
さて実は、もう一つ別の映画祭を見つけています。
AI INTERNATIONAL FILM FESTIVAL
https://aifilmfest.org/
こちらは毎月コンテストが行われているようで、それ以外にも人工知能の未来について話し合ったりブログを通して発信したりと、毛色が違います。
特に、ストーリーテリングにどうAIを組み込むか、というテーマ設定もあるようです。
前者の「AI FILM FESTIVAL」が技術や実験の色が強いのに対し、後者の「AI INTERNATIONAL FILM FESTIVAL」は、AIとの向き合い方やストーリーとの掛け合わせに焦点が当てられていると言っていいでしょう。
CGが映画に組み込まれ始めた1990年代のことを思い出します。
当時、『ジュラシック・パーク』や『ターミネーター2』といった、CGのすごさとものがたりの面白さを兼ね備えたヒット作が飛び出しました。
CGすごいでしょ、だけでは作品にならない。
日本の『ゴジラ』が今でも世界中で人気なのは、着ぐるみの精度が理由ではないと思うんです。
まとめ
3D技術、VR技術と、いろんな新しいものが映画、映像に組み込まれて行っています。
年々、「使えるテクニック・技術」は増えていく。
どれをどう活用して、どう組み合わせて、または活用せずに、作品を作っていくか。
それこそが大事なポイント。
そんなことを考えながら、今日もAIを使うのです。