Netflixをよく利用します。
オススメされる新しい映画やドラマも見ますが、「あの映画あるかな」と懐古検索することも。
検索すると、ずらっとサムネイル画像が並びます。
ある時そこで、「あれ?」と違和感を感じました。
作品によっては、よく見る宣伝ポスターではなく、ワンシーンが切り取られて使われている。
※比較のために、Amazonプライムビデオでの表示を載せました。
それだけじゃありません。
見たことないシーンを使っているものもある。
調べてみると、そこにはNetflixならではの工夫と戦略が隠されていたのです。
サムネイルは自動生成されているらしい
どうやら、サムネイルはNetflixが自動生成しているようです。
Netflixのテクノロジーブログ、というものがあり、そこに詳しく書いてありました。
https://netflixtechblog.com/ava-the-art-and-science-of-image-discovery-at-netflix-a442f163af6
(正直真面目に全部は読んでませんが)
より目を引く画像を自動的にあれこれ解析して作り出してらしい。
映像作品の中から、より刺激的な画像を切り出し、A/Bテストを繰り返していく。
つまり、一度見たからと言ってそれが最終決定のサムネイルでもない。
記事の中では、作品から切り出した画像のことを「マーチャンダイジング用静止画」、そして生成された静止画を「アートワーク」と呼んでいました。
展覧会のキュレーターのような役割を、AIがやっているんですね。
どんどんパーソナライズされていくらしい
自動生成されるばかりではなく、個人の趣向に合わせて変化もしているらしいのです。
自分のアカウント内でも、時々サムネイルが変わることも発見しました。
好きな俳優が出ていれば、その俳優が脇役でも、サムネイル上メインになって表示されることもある。
個人の好みに合わせたパーソナライズだけでなく、国によっても違うらしく、こうなると、自分の好きな映画が他の人のパソコンや別の国でどうなってるか興味が出てきます。
ためしに妻のアカウントに切り替えてログインをして『ベストキッド』を検索してみましたが、サムネイルは見たことあるものでした。
アニメやドラマばかりの視聴履歴の中に突然ぶっこまれた情報に、AIもなすすべがなかったと推測します。
よく、「AIにとって変わられる」という議論がありますが、Netflixの例を見る限りは、AIと人間は相互補完をしているな、と感じます。
AIの判断が、常に正しいわけでもないらしい
AIの判断は必ずしも歓迎されているわけでもないようです。
ネットの記事を読んでいると、「これってどうなの??」という指摘もありました。
自分が好きな作品がなんだかいじられてる感じを受けると。
確かに、僕も疑問があります。
『海賊と呼ばれた男』はこんな風に表示される。
別に綾瀬はるかのファンでもないし、名前を検索した覚えもない。
「男ならふつう好きでしょ?」と判断されたのか、はたまた、同じ広島出身だからか。
(帰省のために飛行機の予約をした)
AIが判断した理由もそこに書いてくれたらちょっと面白いのになあと思いました。
でも、最新の映画やドラマならまだしも、古い映画にまで対応させていることに驚きです。
これによって、見慣れた映画にも新鮮な気持ちで接することができる。
これも、AIによる恩恵なのでしょうか。