最近あちこちで目に(耳に?)するようになった「AIボイスチェンジャー」。
AIを用いて、自分の声を変えてしまえるツールです。
そういえば、うちの子供が見ているYouTube動画からも、AIボイスがよく聞こえてきます。
一方で、生成AIに声を無断使用されたとして、声優業界から声明が出されたりもしています。
僕も長年ポッドキャスト(ネットラジオ)を配信している身として、声には並々ならぬ関心を持っています。
「AIボイスチェンジャー」とは一体どんなものなのか、調べてみました。
AIナレーションとの棲み分け
AI音声といえば、「AIナレーション」。
これもすっかり珍しくなくなってます。
原稿を記入することで、AI音声がナレーションのように読み上げてくれる。
自分の声をナレーションにするツールについても、以前ご紹介しました。
『コエステーション』で”自分の声”に朗読させてみた結果
https://wepress.web-magazine.jp/2022/04/20/20220420/
ただ、文字を読み上げる「AIナレーション」は、イントネーションがおかしいという不満が出る。
とはいえ、プロのナレーターを使うまででもない。
商品説明なら、詳しい社員がいるから、自分(たち)で話したい。
しかし、しゃべりが上手な人ばかりではない。
自分の声に抵抗がある人だっている。
ここで、「AIボイスチェンジャー」が登場するわけです。
自分で話した声を「別の声に変換」してくれる。
これは何かに使えるかも。
AIボイスチェンジャーを使ってみた
今回は2つの「AIボイスチェンジャー」を使ってみました。
【1】インストールして使うタイプ
『iMyFone MagicMic』
https://jp.imyfone.com/voice-changer/
これは、2つの機能が備わっています。
A:リアルタイムで声を変えてくれる
B:録音した声を変えてくれる
「ダウンロード」をクリックしてインストールします。
※PC環境によっては、このあと「Virtual driverのインストール」を求められることがあります。
マイクとヘッドホンを選択。
この段階で、PCに向かって話しかけることで、自分の声が一瞬間を置いたあと変換されるのを体験できます。
他にもいろんな声のタイプが選べるようです。
アイコンを選択して、いろんな変換を楽しめます。
この右下にある「ファイルの声を変える」をクリックすると、録音ファイルの変換に進めます。
自分の声を録音したファイルをアップロードしてみます。
無料でできる範囲は限られます。
デフォルトの「ミニオン」を選択して「エクスポート」をクリック。
ここで、声の変化をお聞きください。
まずは、元の僕の声。
これを「ミニオン」風にしたのがこちら。
「トランスフォーマー」風はこんな感じ。
もっと違う声に変換したい場合は、有料プランに誘導されます。
【2】ブラウザ上で使うタイプ
『Media.io』
https://www.media.io/online-voice-changer.html
これは、録音した声を変えてくれる機能のみです。
また、インストールは不要ですが、ログイン登録が求められます。
「Change Voice Now」をクリック。
録音したファイルをアップロード。
声のタイプを選択し、左下「Change voice now」をクリック。
変換された音声を再生して確かめられます。
ダウンロードしようとしたら、有料プランに誘導されました。
このツール、音声変換のバリエーションが少なく、ちょっともの足らなく感じました。
自分なりの使い方を考えた
この他にも、「AIボイスチェンジャー」ツールはいろんなものが出ているようです。
しかしそもそも、自分はAIボイスチェンジャーで何をしたいのか、を考える必要がありますね。
僕は毎週ポッドキャストを更新していますが、花粉症がひどく年に2回ほど声がきれいに出なくなる時期があります。
そんなとき、ガラガラ声ででも収録しておいて、きれいな声に変換してもらえないか、を期待しました。
そこで、喉の調子が悪いときの収録がどこまで改善されるのかチェックしてみました。
まずは、調子が悪いときの僕の声。
これを「ミニオン」風に変換したらこんな感じ。
うーん、期待したものと違う。
「声」は変えられるけども、元の声がざらざらしてたら、その感じのまま引きずられる。
変換された声が聞きやすい人というのは、変換する前から聞きやすい声、そして話し方なんだと思いました。
まとめ
AIボイスチェンジャーは現在、「覆面インタビュー」のように顔出ししたくない場合、またバーチャルキャラクターを使ったライブ配信や実況中継といった場合に使われることが多いようです。
そういう意味では、今のところ僕には使い道がなさそうです。
僕がポッドキャストをやってる理由は、声には感情が宿りやすく、自分の声で伝えるコンテンツに価値を感じているから。
素性を隠して発信する必要性もないし、アニメの声になってみたい、という思いもない。
一方で、個人にひもづけたくない音声のニーズもあるでしょう。
例えば、女性の一人暮らしをごまかすために、電話やインターフォンの声を変える機能、なんて情報も見かけました。
今後、オレオレ詐欺が”本人っぽい声”でかかってくる、という悪用のされ方もあるかもしれません。
AIナレーションよりも個性を出すことができるのが、AIボイスチェンジャーの魅力。
企業の動画制作で、オリジナルキャラクターを使い、特定の社員が声を担当する、なんて使い方もできるのかもしれません。