Twitter社がアメリカの実業家のイーロン・マスク氏に買収されて以来さまざまな改革がおこなわれ、関連サービスが次々に終了に追い込まれる事態が起きています。
これは以前にこちらの記事で紹介したように、Twitterが提供してきた「API」の有料化によるところが大きいのですが、今度はTwitterが一般ユーザーに提供している公式のサービスでも影響が出始めました。
サイト内でタイムラインを埋め込めなくなった
まずは下の画像をご覧ください。
これは東京都水道局の公式ホームページですが、赤枠で囲んだTwitterのエリアに「通知はまだ届いていません」と表示されてしまっています。
これはTwitterのタイムラインをホームページ上に埋め込む「タイムラインウィジェット」というTwitterの公式機能なのですが、2023年7月10日現在でタイムラインの表示ができなくなっています。
Twitterへの投稿はホームページを更新するよりも手軽にできたため、さまざまなサイトでお知らせ・トピックス機能の代用として使われてきました。
実際に東京都水道局のような公営企業でも活用するほどですし、Twitterのアカウントを持っていない人でも閲覧できたので、とても便利なツールでした。
それが急に表示されなくなってしまったのです。
しかも「Twitterで開く」というボタンをクリックすればTwitterが開きますが、Twitterにログインしていない状態だとそのタイムライン自体も見れなくなってしまいました(これまでなら閲覧はできた)。
今後、元の状態に戻るのかはわかりませんが、このままの状態が続くのであればTwitterを活用したサイト運用も根本から考え直さなければいけないかもしれません。
閲覧回数の制限も実施された
また、先日は突如として一般ユーザーに対して1日に閲覧できるツイート件数の制限が設定され、多くのユーザーの反感を招くという事態も起こりました。
Twitter、1日の閲覧数を制限 自動データ収集に対応https://t.co/lCS525awvu
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) July 1, 2023
こちらは一時的な対応だったと発表もされていますが、今後いつまで利用できるのか不安を覚えるユーザーが多かったようです。
Meta社の新SNS「Threads」緊急リリース
そんなTwitterから離れていくユーザーを囲もうとしているのか、InstagramやFacebookを運営するMeta(メタ)社がTwitterと類似した短文投稿SNS「Threads(スレッズ)」を7月6日に公開し、世界中から注目を集めています。
テキストでつながる新しいアプリ、「Threads(スレッズ)」をローンチ|Meta
https://about.fb.com/ja/news/2023/07/threads_launch/
こちらは直前までほとんどアナウンスもなかったことから、Twitterユーザーの不満を察知したMeta社が予定を早めて緊急でリリースしたのではないかと噂されているようです。
実際に登録をしてみましたが、Instagramと連携されているのでアカウント開設までは一瞬で完了。InstagramでのフォロワーをThreadsでもフォローするという機能があるので、増やそうと思えば一瞬でフォローする人を増やせそうでした。
機能的には短文を投稿することができ、投稿に「いいね」をつけたりリツイート(再投稿)的なことができるのは基本的にTwitterと同じ。見た目もあまり変わらないので、直感的にすぐ操作できます。
TwitterとThreadsの違い
TwitterとThreadsを比べてみると、細かい部分では
・文字数が500文字まで投稿できる(Twitterは140文字まで)
・画像を10枚まで添付できる(Twitterは4枚まで)
など、TwitterやInstagramよりも優れている部分もあれば、
・ハッシュタグを使えない
・フィードにはおすすめ投稿のみが表示される(フォロワーのみにできない)
・パソコンからは開けない
・投稿の検索ができない
・投稿をホームページに埋め込めない
というように、まだ使いにくい部分もたくさんあります。が、これらはいずれ改善されていくのではないかと思われます。
これまでもTwitterの代替となり得るSNSはいくつか登場してきましたが、「Threads」はInstagramのユーザーならスムーズにアカウントを開設できるという点がなにより大きく、ユーザー数はリリースから5日間で1億人を突破したそうです。