先日、自著にサインをすることになりました。
領収書にサインとか、荷物受け取りのサイン、ではありません。
クリエイターとして、著者としてのサイン、です。
で、困りました。
サインを用意してない。
実はこれまでも、サインするシチュエーションは何度かあり、その都度、困ってきた。
つまり、問題を放置し続けてきたんです。
僕が”サイン”のつもりで書くと、ただの署名っぽくなる。
それを見た過去の依頼主も、決まって苦笑いをし、がっかり感をにじませたまま去っていく。
これはダメだ。
この際、サイン問題を解決することにしました。
サインが必要な人・サインが必要なとき
サインを書く必要に迫られる人ってどんな職業でしょうか。
俳優、監督、作家、タレント、スポーツ選手、演奏家、漫画家・・・
絵画や書道もそう。
本の挿絵にも一枚一枚サインがついていますね。
小学生の頃は、『ズッコケ三人組シリーズ』の挿絵画家、前川かずおさんの「まえ」を真似して「おり」を書いてたこともあります。
その昔ヨーロッパを旅行中、公園で建物などを描いていると、「売ってくれ」と何度かサインを頼まれたのを思い出します。
有名人でなくてもサインすることがあるんだ、と静かに驚きました。
サインにもバージョン違いがある
学生時代、シルベスター・スタローンのサインを真似して書いたことがあります。
その時、サインにも「しっかりバージョン」と「超シンプルバージョン」があることに気づきました。
以前、著名人のインタビュー撮影の際にサインを書いてもらったら、「これも書いちゃお」と追加してたのも思い出します。
サインのスタイルやボリュームは、その時々で変化してもいいんだな、と。
漫画だって最初の巻としばらく経ってからの巻とで、絵のタッチが違うこともよくある。
サインも、書いてるうちに変化しちゃってもいいか、と気軽にとらえることにしました。
まずは自分で書いてみた
いろいろ調べる前に、まずは自分で考えてみることにしました。
自分のサインの条件を固めます。
・漢字で書きたい
海外でサインするとき(?)も漢字の方がいい気がする。
・シンプルにしたい
万が一、握手会(?)でたくさん書くときのことを考えて、できる限りシンプルにしておきたい。
・横長の長方形で書きたい
丸型とか斜めとかいろんな形状がありますが、横長の長方形が文書などで使いやすいように思いました。
ということを考えて、まず書いてみたのがこちら。
・・・サインというより、殴り書きですね。
なんかこう、映画・映像のひと、という印象も与えたい。
だったら、撮影で使うカチンコを入れたら個性を出せるかも。
・・・ひどいな。サインというより落書き。
じゃあ、ということで次のサインを・・・
考えてみたのですが、まったく思い付かず、ギブアップ。
プロの手を借りてみる
「漢字サインの書き方」について調べてみると、こんな市場があるのかというくらい大量のページがヒットしました。
いくつか、漢字サインの書き方のヒントを見て、良さそうに思えた手法がこちら。
『漢字の中の横線をむりやり伸ばして全体を囲む』
・・・あれ、いきなりいい感じじゃないでしょうか。
さすがはプロのアドバイス。
こうなったら、プロにお願いした方が早いんじゃないか。
ということで、サインを注文してみることにしました。
今回お世話になったのはこちらのサイト。
数日ほどで届いた中には、次のものが入っていました。
ー 漢字3パターン / 英字3パターン
ー それぞれ書いてる様子の動画
ー サイン練習用のシート
漢字3パターンの中からいいなと思ったものを自分で書いてみました。
何度も書いてみるものの、プロが書いたものとどうも違う。
練習が必要かなあと思いつつ、もう一つ別のパターンもトライしてみました。
するとどうでしょう。書いててすごく気持ちがいい!
正直、絵面は気に入ったわけではないですが、この、下に向かってまっすぐ「シャッ」と線を2回引くのがすごくいい。
まとめ
デジタルの時代になり、すっかり忘れていた感覚を思い出しました。
それは、書いてて気持ちがいい字、というのがあること。
「様」の締めの払いを書くのが好きだし、「希」の最後まっすぐ書き下ろすところとかも好き。
考えてみると、うちの子供たちの名前には、僕の「書いてて好きな字」が入ってます。
筆記具によって、書き味も変わるでしょう。
サインを書く時は、ぜひ万年筆を使いたい。
サインというのは、自分の名前で仕事をするという覚悟なんじゃないか。
だから、僕がサインを用意していないことがわかると、過去、がっかりされてきたのかもしれない。
サインをさっと書けるようにしておく。
今回、少し大人になったような気がしました。