自分の半生を、ハリウッドのシナリオ構成に当てはめてみた

1月というのは、今年一年の展望に思いを馳せるタイミングではないでしょうか。

ただ、「一年間」という単位は、何かを成し遂げるには短すぎます。
もう少し長いスパンで物事を考えた方がいいのではないか。

以前、映画のシナリオを書いてた頃、自分の作品の主人公たちの”半生”を俯瞰して考えていました。

で、ふと思ったのです。
シナリオ的に考えると、自分の”半生”はどうなのか。

自分の来し方や今後を考えるにあたって、シナリオの技術を参考にしてみたのです。

 目次
  • 面白い映画シナリオを書くための構造
  • 三幕構成に自分の半生を当てはめるステップ
  • 三幕構成に半生を当てはめてみて感じたこと
  • まとめ
  • 面白い映画シナリオを書くための構造

    映画のシナリオを学ぼうとすると、<起承転結><三幕構成>といった書き方に触れます。
    これらについて詳しくない人が大半だと思うので、まずは簡易的に解説します。

    [注意]僕の理解の範疇で書いています。
    正確に解説することは本稿の目的ではありません。

    <起承転結>

    日本式のシナリオ構成と言えるでしょうか。
    シナリオを4つの箱に分類し、構成します。

    「シナリオには起承転結がある。起は始まり、承は展開、転は最高潮、結は終わり。
    しかし私たちは、スタート、展開、クライマックス、ラストと呼んだ。」
    (『複眼の映像』橋本忍 著より)

    <三幕構成>

    一方こちらはハリウッド式と言えるでしょう。
    シナリオ全体を3つの幕(Act)に分類するやり方。

    この図は、『ハリウッドストーリーテリング』(田中靖彦 著)から。
    シド・フィールドというシナリオ界のレジェンド講師の内容を、シンプルに解説した書籍です。

    大きなできごと(プロットポイント)があり、幕が切り替わっていく。
    ものがたりのど真ん中で、主人公は最低・最悪の状況になる。

    今回、自分の半生を当てはめるにあたっては、<三幕構成>の方を参照することにしました。

    起承転結は、次々展開していく考え方であり、エンディングまで見越して考えます。
    一方、三幕構成は、真ん中のターニングポイントを境にして前半と後半を比べる、という見方ができる。
    今の僕(47歳)に当てはめやすいと考えました。

    三幕構成に自分の半生を当てはめるステップ

    ここからは僕個人の考え方になります。
    次のようなステップで、これまでのできごとを書き込んでいきました。

    (1)これまでで最悪のことは?を考える

    今のところ、という条件付きですが、33歳の時。
    当時の職場で干され、作っていた映画が暗礁に乗り上げ、脳梗塞を発症し、妻も入院しました。

    これをAct2の「ミッドポイント」としました。

    (2)最初に行動した大きな出来事は?を考える

    最初の大きな決断として、大学を休学して海外に行ったことを選びました。
    21歳でした。

    これを「プロットポイント1」に。

    (3)「Act2」の前後を比べてみる

    Act2は「葛藤」期。ミッドポイントを境にして、前後がついになっている部分。
    ここの前半、つまり21歳から33歳までは、社会人になってからの時期。
    自分なりに努力してたつもりでしたが、何一つこれといった結果につながりませんでした。

    しかし、33歳を超えてから、明らかに潮目が変わります。
    例えば、妻の入院中に病院の廊下でまとめた新規事業計画が、当時勤めていた会社の稼ぎ頭になっていきます。

    (4)年齢を当てはめて全体を俯瞰してみる

    ここまでを記入するとこうなります。

    単純計算で、「プロットポイント2」は45歳とはじき出されます。

    その年齢を見て、僕は少し震えました。

    この年、新型コロナウィルスにより、僕はそれまでの仕事をほぼ全て失います。
    まさに、「さあ、どうする?」と大きな決断を迫られるポイントとなっていたのです。

    三幕構成に半生を当てはめてみて感じたこと

    意味のないただのお遊びのつもりでしたが、なんだかワクワクしてきました。
    僕は今、Act3(第三幕)が始まったところ。

    これまでを踏まえて、「どうストーリーを完結させるか」を考えるステージということです。
    さてこれから何をしてやろうか。

    一方で、この考え方には大きな欠点もあります。
    この計算でいくと、僕の”終わりの年齢”が・・・まだちょっと早くないか??

    あくまで、今どうするかの確認をしただけで、あまり先のことは一旦忘れます。

    まとめ

    「今年の目標」みたいなお題を考えると、つい近視眼的な項目が並んでしまいます。
    かといって、人生を俯瞰するなんて漠然としすぎてピンとこない。

    そんな時、ハリウッドの三幕構成に当てはめてみると、何か気づきが得られるかもしれません。
    なにより、「状況設定」→「葛藤」→「解決」という表現が、とっても(前向きな)人生っぽくていいなと感じています。

    ただ・・・今回の僕の分析は正直、都合いいエピソードだけピックアップした感は否めません。

    あと途中、実はちょっと”話を盛って”ます。
    「妻の入院中に、病院の廊下で書いた新規事業計画が・・・」のくだり。

    これ実際は、手術中に手持ち無沙汰で、仕方なく近くのドトールで溜まってた仕事をしただけ。
    新規事業も、同僚や上司の協力あってのことですからね。

    ものがたり(人生)は、数珠つなぎ。
    何事も、捉え方次第なのかもしれません。

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