知っておきたい背景事情「Internet Explorerの来年6月サポート終了」

WEBブラウザ「Internet Explorer」(インターネット・エクスプローラー。以下、IE)のサポートが2022年6月15日に終了することが発表されました。

WEBブラウザとは、パソコンやスマートフォンなどでWEBサイト(ホームページ)を閲覧するためのアプリケーションです。オンラインショッピング、オンラインバンキング、最近ではテレワークの普及に伴い業務アプリケーションのWEB化も進み、さまざまなサービスがWEBブラウザを通じて提供される時代となりました。

インターネット黎明期にシェアを伸ばしたIE

IEはインターネット黎明期である1994年にMosaic(モザイク)というWEBブラウザをもとに開発されました。そしてWindows95以降からOS標準WEBブラウザとして搭載され、IEはMicrosoftの独占的な市場のもと、瞬く間にシェアと伸ばしました。そして実質的にIEで表現できることがWEB技術の標準となったのです。

その後もIE はWEBでの表現を広げるため、さまざまな独自の機能を実装してきました。当時は WEBサイトで表現できることが少なく、実質的にWEB技術の標準であったIEが独自に機能の拡張を行なわざるをえなかったのです。

IEが独占してきたOS市場に変化

そして時が経ち、Microsoftがインターネット黎明期より独占してきたOSのライセンスビジネスモデルが崩れ始めます。それはデバイスの多様化とクラウドサービスの礎となる仮想化技術の進歩によるものです。

AppleのiPhoneに搭載された「iOS」、オープンソースでさまざまなデバイスで動作する「Android」などが普及し、インターネットでWEBサイトを閲覧するためのソフトがIEである必要がなくなりました。

インターネットの世界で何よりも重要なのは互換性です。WEBブラウザも例外ではありません。IEの独自の仕様に頼らないWEB技術が標準化されていきました。

IEのセキュリティ問題が顕在化

同時に、それまで独自拡張を行なっていたIEにセキュリティ問題が顕在化し始めました。

WEBブラウザはサイバーセキュリティ攻撃の水際でもあるため、WEBブラウザが脆弱であることは非常に大きなセキュリティリスクであるといえます。

IEの独自開発を続けてきたMicrosoftは、IEに特化したセキュリティ修正パッチを毎月のように提供することを余儀なくされることとなりました。これは開発者にとっては非常に大きな負担となります。

IEはWEB技術の進化の歴史でもあると同時に、インターネット黎明期に市場を独占したMicrosoft販売戦略が生んだ「負の遺産」でもあったのです

Google Chromeの台頭、そしてIE時代の終焉へ

そしてこの時期、台頭し始めたのがGoogleのブラウザ 「Google Chrome(グーグル・クローム。以下、Chrome)」です。

Chromeは多様化したデバイスに対する表現力の向上はもちろんのこと、プラグインの拡張性に大変優れています。またソフトウェアの自動更新、サンドボックス機能、ウィルススキャン機能などのセキュリティ強化機能が標準で搭載されており、IEと比べるとより安全にインターネットの利用ができるWEBブラウザです。

IEを使うことを前提に設計された業務システムはまだまだ多く存在しているため、古いIEの使用を余儀なくされることも多いのではないでしょうか。2014年にサポートが終了したWindows XPを現在も使用し続けているユーザーも一定数存在しているといわれています。

Microsoftも後継である2019年に「Microsoft Edge(マイクロソフト・エッジ。以下、Edge)をリリースしており、Microsoftにとっても「負の遺産」の償却に一定の目処が立ったと見ることもできます。

ちなみにEdgeにはIE前提で設計されたレガシーなアプリケーションを考慮し、「IE モード」という機能を搭載しています。このIEモードにより一定の互換性が担保されているようです。利用者の皆様は早急にIEから他のブラウザに乗り換えを推奨します。

WEBブラウザから見るIT業界の覇権争い

WEBブラウザの標準化をめぐる動きには、IT業界の覇権争いを垣間見ることができます。

今や「Chromeの国内シェアは40%近く。一方でEdgeは15%程度といわれています。Office365(オフィスサンロクゴ)やクラウドサービスAzure(アジュール)といった主力サービスにIEという「負の遺産」を捨て去ることでMicrosoftの追い上げは見られるのでしょうか。

歴史は繰り返すといいますが、大きくなりすぎた市場シェアは必ず綻びを見せます。各社今後の動向に注目したいと思います。

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