さる6月14日、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」、通称「チケット転売禁止法」が施行されました。
簡単に言えば、興行主が転売を禁止しているチケットの不正転売を禁じる法律です。この法律の施行により、紙のチケットから変わって電子チケットが主流になっていくことでしょう。
転売をしにくい電子チケット
電子チケットは購入時に個人情報を入力するうえ、入場時にスマートフォンの画面に表示させたQRコードや身分証明証などを提示し、同行者も一緒に入場しなければならないなど、紙チケットと比べると転売しにくくなっています。
実際のところ、電子チケットの普及によって、買い占めたチケットを転売して利益を得る“転売屋”は減ったようです。個人で高額転売をしている人はまだ多いようですが、法施行により確実に減少すると見られています。
急に行けなくなったイベントのチケットはどうしたら良い?
転売ができなくなると、転売目的のチケット買い占めが減り、チケットを適正価格で入手しやすくなります。しかし転売ができなくなると、イベントに急に行けなくなった場合に困りますよね。
この場合は公式のチケット転売サイトを利用し、買い手が見つかれば転売することができます。公式チケット転売サイトの利用は定価での転売に限られるため、販売者に利益が出ることはなく、転売によって価格高騰することはありません。
電子チケットの課題も解消されつつある
購入時の個人情報入力や、入場時の身分証明は面倒ですし、入場のタイミングでスマホがフリーズしてしまったり、バッテリーが切れてしまう可能性などまだ電子チケットには課題が多くあります。
ただ、これらの課題は少しずつ解消されつつあるようです。
例えば、6月にリリースされた「LIVE QR」という電子チケットアプリは、本人確認が必要な場合もアプリに登録した顔写真で代用できるようになりました。
これまではスマホでQRコードを表示させ、スキャン後に身分証明書をスタッフに提示し、本人確認されなければ入場できなかったイベントも、「LIVE QR」なら一画面にQRコードと顔写真が表示されるため、入場時にかかる手間が大幅に短縮されます。
また、従来の電子チケットはキャプチャしたQRコードを転売するということもできましたが、「LIVE QR」では一定時間ごとに表示されるQRコードが変わるため、このアプリが普及すれば不正な転売はさらに減少していくことでしょう。
チケットといえば「紙」であることがずっと当たり前でしたが、行きたいイベントのチケットを適正価格で購入するためにも、電子チケットが主流になっていくことは必要不可欠なことなのかもしれません。