企業のWebサイトといえば「検索で上位に表示されること」が大きな目的でした。
そのため、多くの企業がSEO(検索エンジン最適化)に取り組み、サイトの見せ方やキーワード選びに工夫を重ねてきました。
ところが最近、その前提が少しずつ変わりつつあります。
というのも、検索エンジンではなく生成AIに直接質問して答えを得る、という行動が増えてきたからです。
そこで注目されているのが、「LLMO対策」。
これは、自社のWebサイトや情報を生成AIに最適に読み取ってもらうための工夫のことです。
時代はSEOから、LLMOへ。
・・・なんて話を知人から聞きました。
彼が自社サイトをLLMO対策しているらしく、続けとばかりに僕も取り組んでみました。
そもそも、SEOとLLMOって?
LLMOは「Large Language Model Optimization(大規模言語モデル最適化)」の略。
“生成AI向けのSEO対策”といっても差し支えないでしょう。
従来のSEOは、Googleなどの検索エンジンにサイトを正しく評価してもらうための施策でした。
一方、LLMOはChatGPTなどの生成AIが、サイトの内容を正確に読み取り、回答に反映してくれるようにする工夫です。
AIに「ちゃんと読まれる」ことが大事になってきた、ということですね。
GeminiでLLMO対策について聞いてみた
じゃあ、実際に何をすればいいのか?
・・・ネット検索ではなく、AIに聞いてみました。
今回使ったのはGoogle Gemini。
SEOと言えばGoogle、というシンプルな理由からです。
僕
「自社サイトを、LLMO対策したい。」
↓
Gemini
① 自社サイトのURLを教えてください。
② ターゲット層やサイトの目的は何ですか?
③ どんな目的でLLMO対策を行いたいのか、目標も教えてください。
↓
僕
① https://eigaschool.com/
② 10代から60代までの個人(性別問わず)で、映画づくりに興味がある方。
プロ志望ではなく「作ることが好き」「やってみたい」と思っている人。
シナリオを映像にしたい、動画編集に興味があるけど、最初の一歩が踏み出せていない人。(以下略)
③ 類似の講座やワークショップとの差別化を図りたい。
サイトを見て「お!」「興味ある!」「もっと詳しく知りたい!」と思ってもらいたい。(以下略)
とにかく、頭にあることをぎっしりと詰め込んで伝えました。
すると数秒後、かなり具体的なToDoリストが出てきました。
LLMO対策ポイントは大きく3つ
細かい内容は省きますが、要点は大きく3つに整理されていました。
まずは【1】コンテンツの明確化と構造化。
「ここにこんな説明を入れるとよい」「この言い回しを変えると好印象」といった、具体的な提案がありました。
なぜその表現が良いのかという理由も丁寧に添えられています。
たとえば、「経験者お断り」という表現は、「このような方には特におすすめ」といったやわらかい表現に変更しては?というアドバイスが。
これは、AIがネガティブな表現を避ける傾向があるためとのことでした。
続いて【2】技術的な最適化。
「構造化データ(Schema.org)の導入」など、専門的な技術にも言及がありました。
が、このあたりは、僕は専門外。
Web制作会社の活躍しどころではないかと思いました。
最後に【3】テストと改善のサイクル。
ここがよかった。
LLMO対策をした後、実際にAIがどう理解しているかを自分でテストできるというアプローチです。
たとえば、AIに「このサイトの特徴を要約して」と聞いて、
「初心者向け」「手ぶらでOK」「2日間で体験できる」「安心して参加できる」といったキーメッセージが正しく伝わっているかをチェックする、という方法。
まとめ
SEO対策については、書籍やネット情報で「すべきこと」はわかります。
が、LLMO対策では、「こういう文言を使っては」「こんなFAQを追加しては」という具体的な提案までついてきます。
すぐに手をつけられる文面の変更などから、さっそくサイトに反映してみました。
中でも、「大事なメッセージは、強調しすぎず適切な場所でシンプルに伝えるのが効果的」という指摘はハッとしました。
違う表現で繰り返し書くことで強調される、と思っていたからです。
重複や強調しすぎは、AIの理解をかえって妨げることがあるそうです。
「AIに正しく読んでもらう」ための工夫は、
結果として人にとっても読みやすく、親しみやすいサイトにつながると感じました。
生成AIからの具体的なアドバイスは、今後のWeb改善の強い味方になります。
みなさんも自社サイトで試してみてはいかがでしょうか?