自分で音楽が作れるサービスを使ったら、AIについて考え込んでしまった

AIの力を借りて、自分であれこれやってみる。
これが、昨今のツールの流行りだなと感じます。

さてそんな中、自分の動画につける好みのBGMを作れるサービスを見つけました。
ウェブ上で操作できるので、直感的に作業ができます。

基本的にサービスの紹介記事ですが、先にお伝えしておくと、途中から別の話になっていきます。

自分で音楽を作れるSOUNDRAW

フリー音楽サイトもたくさんあるけれど、長く使っているとだんだん使えるものも限られてきます。

探して選ぶんじゃなく、好みのものを自分で作る。
そんなコンセプトのサービスが現れました。

SOUNDRAW
https://soundraw.io/ja/

映像クリエイターのための作曲ツール、と謳われています。

「作る」とは言うものの、ある程度の候補曲が提示されてそれを自分好みにカスタマイズできるサービス、というのが正確な表現かと思います。

SOUNDRAWを試してみた

有料ですが、ダウンロードしなければ機能自体は試せます。
実際に操作してみました。

①「作曲する」をクリックする

②作りたい音楽を選択していく

例えばこんな項目があります。
ームード:ハッピー・エキサイティング・ダイナミック・・・
ービデオテーマ:VLOG・コーポレート・ゲーム/アニメ・・・
ージャンル/スタイル:アコースティック・シネマティック・・・
ー長さ:10秒から5分まで

③「CREATE MUSIC」をクリックすると、候補曲一覧が表示される

④いいなと思う曲を選んで、「この曲を編集する」をクリックする

⑤音楽を細かくカスタマイズできる

リアルタイム映像チェックが素晴らしい

一番いいなと思ったのは、特定の映像に合うかどうかその場で確かめられる点です。

「動画をプレビューする」をクリックし、ファイルを選択。

再生ボタンをクリックすると、カスタマイズしたばかりの音楽を流しながら映像も再生されます。

このリアルタイム性は素晴らしいです。

・・・と言いつつ実は、先ほどの⑤のステップで、僕はギブアップしました。

「パッキング(なんだそれ?)」「ベース」などを自分の好きなタイミングで調整したり、テンポやキーも変えることができます。

使える人にとっては神ツールかもしれない。
ただ・・・。

この、「自分の好きなように」が僕にはハードル高かったのです。
だって、「自分の好きなキー」とか、「好みのテンポ」なんて分からないから。

自分の好みをうまく把握できない問題

企業で動画を作る時ハードルになるのは、「的確な指示を出すこと」ではないかと感じています。
上がってきた動画を見ても、コメントが”個人的な感想”の域を超えられない。

人によってそれぞれ、コメントができるジャンル・できないジャンルがあるんじゃないでしょうか。

僕は食レポなんかも困りそうです。
「うまい!」以外のコメントができるとは思えません。

音楽についても、表現するためのボキャブラリーが圧倒的に少ない。
音楽を聞いて、それを説明せよ・コメントしろと言われても困る。

AIの弱点?

AIが得意なのは、膨大なデータの蓄積を通した、最大公約数的な最適解の推測だと思っています。
「こういうことをする人たちは、だいたいこれが好きだよね」みたいな感じ。

一方で、一人一人個人に最適化するためには、【その人についてのデータの蓄積】が必要になります。

以前、AIが「自分の声で読み上げてくれる」というツールのご紹介をしました。

『『コエステーション』で”自分の声”に朗読させてみた結果』

自分の代わりにしゃべってくれるなら、こんなに便利なことはありません。
しかし、これを実現するためには、自分の話し方サンプルをかなり時間をかけて吹き込んでいく必要がありました。

僕はこれが面倒で、途中でやめてしまっています。

僕の友人とAIは、どちらが勝つか

僕には、20年来の付き合いの作曲家の友人がいて、
これまで個人的な映像作品のほとんどの音楽を彼にお願いしてきました。

彼に任せておけば、(僕にとって)いい音楽ができる。

それはもちろん彼の才能の成せる業ではありますが、一番は「彼が僕の好みを熟知しているから」だと思うんです。

AIと戦ったとしても、彼の方が「僕の好み」に詳しいので、AIに勝っちゃうんじゃないか。

確かに、僕の好みのサンプルをたくさん入れていけば、やがてAIが勝つ日が来るかもしれません。
ただ、その「好みのサンプルをたくさん入れる」という作業自体が鬱陶しいし、大変。

まとめ

スマートフォンやスマートウォッチは、今や本人よりも本人の身体のことについて詳しいでしょう。
これは、日々の身体の動向・数値を蓄積しているから。

個人データサンプルが簡単に集められる状況なら、確実にAIは力を発揮するはず。

例えばもし、僕がほぼ毎日触っている動画編集ソフトに、すごいAI機能が搭載されたら。
「お前がやりそうな仮編集をやっておいた」なんて日が来るのかもしれません。

AIをより活用するためには、自分自身のことを大量にインプットしなければならない。
それが簡単に実現できる分野と、そうじゃない分野がありそうです。

「いやいや、そんなことも、AIは了承済みだよ」
「そのうち解決しちゃうから待っててね」
そんなAIの声も聞こえてくるようなこないような。

今、僕がSOUNDRAWをいじったら、『ターミネーター』みたいな曲ができそうだな、と思いました。

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