先日、プロ野球の「SMBC日本シリーズ2021」が開催され、東京ヤクルトスワローズが20年ぶりに日本一の座に輝きました。
勝敗は4勝2敗でしたが、6試合のうち5試合が1点差という球史に残る超熱戦。特に興味はなかったけど思わずネットで無料配信されていないかと探した方も多かったのではないでしょうか。
残念ながら今回の日本シリーズでは公式の無料配信はなかったのですが、なんとなくYouTubeを検索してみると……出ました出ました。日本シリーズのライブ中継をしているチャンネルがいくつも表示されました。
これらを開いてみるとテレビ中継の映像がそのまま配信されているチャンネルもいくつかありました。問題なく日本シリーズを見ることができましたが、これらはいずれも著作権法違反の違法配信。2018年にはスポーツ中継の違法配信者が始めて逮捕され、以降も厳しく取り締まられています。
プロ野球中継を生配信、初の摘発 京都府警｜イザ！
https://www.iza.ne.jp/article/20181006-ZPHN6WVVWRNJNHXLVXZTDKLGQY/
ところが、もしこのような違法配信を視聴してしまった場合、視聴した人も処罰の対象になるのかというと、実はなりません。違法アップロードされたものだと知りながらダウンロードしたり、録音・録画したりしてしまうと違法となりますが、見るだけなら違法ではないのです。
「じゃあ有料の中継サービスに加入しなくても、YouTubeで見ればいいじゃないか！」と思ってしまいそうですが、それはオススメできません。フィッシング詐欺の被害に遭う可能性もあるからです。今回の日本シリーズ中には以下の画像のようなチャンネルを見つけました。
チャンネル名は「NPB Live」と、いかにも公式配信っぽく見せかけていますが、こちらはフィッシング詐欺アカウントです。
リンクへのクリックを促す画像の下では野球の動画が流れていますが、よく見るとこれは日本シリーズではなく高校野球の練習中と思われる動画。リンク先からアカウント登録すればクリックを促す画像が消えて動画が無料視聴できるように見えますが、リンク先で個人情報を入力するとその情報が抜かれてしまうという仕組みです。
セキュリティ対策をしたうえでリンクを開いてみると、以下のようなページが出てきました。
これはパッと見ただけだと公式の配信サイトのようにも見えてしまいますね……。
動画を再生しようとするとアカウント登録を求める画面に切り替わりました。この先は個人情報を入力する画面に遷移。ここで入力してしまうとアウトです。
先日のサッカーワールドカップ予選のときにもフィッシング詐欺を試みているチャンネルを見かけましたが、そちらでは過去の日本代表の試合を配信し、チャット欄に外部サイトのURLを貼り付けてアカウント登録を促すという手口でした。
その日はテレビ地上波の中継がなかったこともあり、多くの人が「このURLから登録すればいいの？」などとチャットに投稿。引っかかりそうな人がたくさんいたことに驚かされました。
今後も注目度の高いスポーツがある日には間違いなく同様のアカウントがたくさん登場するはず。ネットリテラシーが高くない人はくれぐれもご注意を。
