2020年から小学校でプログラミングの授業が必修化されて以来、世間のプログラミングへの関心はどんどん高まっているようです。子ども向けのプログラミング教室が次々誕生し、ゲームやおもちゃの世界にもプログラミングをベースにしたものが増えています。
例えば、今年の6月にはNintendo Switchのゲームソフト「ナビつき!つくってわかる初めてゲームプログラミング」が発売されています。子どもを対象にしたプログラミングは、今とてもアツいブームなのです。
そんな子ども向けプログラミングの中でも、非常にメジャーなのが「Scratch(スクラッチ)」です。
子ども向けプログラミング「Scrach」
プログラミング言語には、JavaScriptやPythonなど様々な種類がありますが、大人向けのプログラミング言語はキーボード操作やアルファベットに慣れていないと難しいです。
一方、Scratchはブロックをつなぎ合わせて直感的にプログラミングができるという特徴を持っています。基本的にマウス操作だけでプログラミングができるので、低年齢の子どもでも挑戦がしやすいというわけです。
Scratchは8~16歳の子供をメインターゲットに開発されていますが年齢制限はなく、公式サイトで会員登録をするだけで誰でも簡単に利用できます。会員登録は無料なので、パソコンがあればすぐにプログラミングを始められるのです。
https://scratch.mit.edu/ (公式サイト)
さらにScratchと連携できるパーツを購入すれば、ロボットを動かしたりすることもできます。
大人が実際に挑戦してみた
子ども向けプログラミングの「Scratch」を大人から見るとどうなのか? 筆者が実際に挑戦してみました。
ちなみに私のスペックとしては、C言語、JavaScript、PHP、ExcelVBAの学習経験あり。決してプログラマーと名乗れるレベルではありませんが、プログラミングの初歩は修得済みです。
そんな私ですが、Scratchを触ってみてかなり高度な表現ができることに驚きました。
最初は、カラフルな見た目とネコのイラストが「子どもっぽい」印象でした。ブロックに書かれている命令は、日本語でシンプルに表現され分かりやすいイメージ。入り口に全く難しさは感じられません。
ところが、Scratchの参考書を2~3冊読んでみると印象はがらりと変わりました。Scratchの大きな特徴は、プログラミングの命令文がとても設定しやすいことです。ブロックを使えば、条件分岐や繰り返しなど、プログラミング定型文をサクサク組むことができます。
これらの命令文は、画面上の「スプライト」と呼ばれるキャラクター画像に連動しています。このシステムを利用することで、ゲームもアニメも作り放題になるのです。
例えば、「→キーを押すと、画像Aが10歩ずつ動く」というプログラムと「画像Aが画像Bとぶつかったら、Game Overと表示される」というプログラムを組み合わせるとします。画像Aを魔法使いのイラストに、画像Bをモンスターのイラストにすればこれだけでアクションゲームが完成します。
画像は自分が好きなものを用意できるので、手書きのイラストやフリー素材を使っても大丈夫。本気になってやりこめば、すごい作品を短時間で作ることができます。
例えば、以下の作品をご覧ください。人気ゲーム「マインクラフト」のような立体的な世界を見事に表現しています。
こちらは潜水艦のアクションゲーム。演出が凝っていて、まるで商品化されたゲームのようです。
これもかわいい! ロケットの背景が綺麗で、BGMもかなりいい雰囲気を出しています。
いずれも子ども向けプログラミングのScratchで作られたゲームなのですから驚きですよね。Scratchは大人でも十分に楽しめるプログラミング言語でした。