私はシステムエンジニア(以下、SE)として6年間働いていました。
SEと聞くと皆さんはどんなイメージを思い浮かべますか? おそらく多くの方が「SEはパソコンに向き合う理系の仕事」という印象を持っているのではないでしょうか。
確かにSEの仕事ではデータの分析・解析力や、論理的思考力など、理系のスキルが必要となるでしょう。ですが私は理系出身ではありません。文系出身ながらもSEとして6年間働くことができました。
私はもともとパソコンでの調べごとやホームページを作成することが好きだったのですが、文系出身のSEが活躍している体験談を読み、SEの仕事に憧れるようになりました。
そしてSEの採用情報を調べてみると文理不問の求人をたくさん見かけたため実際に応募し、無事に採用となってSEとして働き始めたのです。
いざSEとして働き始めてみると、仕事をするなかで「SEには理系のスキルも必要だけど、文章力や理解力といった文系寄りの能力のほうがもっと重要」だと感じました。
今回は実体験をもとに、その理由をご説明します。
そもそもSEってどんな仕事?
SEの仕事は大きく分けると「開発系」と「インフラ系」の2つがあります。
開発系は顧客の求めるシステムを開発する仕事で、インフラ系はソフトウェアを動かすために必要な高性能なコンピューター(=サーバー)を管理する仕事です。
どちらの仕事も基本的には複数人のチームで進行していきます。人数はプロジェクトの規模にもよりますが、顧客の会社、協力会社、自社のメンバーを合わせて数十人、自分が担当する業務のチームは2~5人ほどで構成されることが多い印象です。
文章力・読解力が必要とされるシーン
SEとして6年間働いてみて、主に以下のようなシーンで文系の能力が重要となると感じました。
1.ドキュメントを作成するとき
業務中は設計書・説明資料・議事録といったドキュメントを作成する機会が多くあります。
それらのドキュメントはチームのメンバーだけが見るものもあれば、顧客が見る場合もあるため、誰にとっても見やすくてわかりやすくなければなりません。
文章力がないと必要な情報が伝わりにくくなりますし、論理展開がおかしければ何の話をしているのかさえもわからなくなってしまいます。文章力の高い人はドキュメント作成時に重宝されるのです。
また同時に、ドキュメントを正しく理解するためには読解力も必要だといえるでしょう。
2.情報収集をするとき
顧客の解決したい課題に対し、どんな技術や製品を使用すれば実現できるかを調査することがあります。
インターネット上で多くのサイトから適切な情報を読み取って収集するためには読解力が必要です。最新技術に関する資料が英語の場合もあるため、英文の読解力があるとより役に立つでしょう。
また、問い合わせ窓口とやり取りする際にも文章力や読解力が必要となります。
3.チームメンバーとコミュニケーションをとるとき
SEの仕事では複数人でプロジェクトを進めるため、メンバー間でのこまめな情報共有や連携が必要不可欠です。そのため、メールやチャットで進捗報告をすることが多くなるのですが、ここでも文章力や読解力は重要となります。
作業中に問題が発生したときに上司やメンバーに文章で適切に状況を伝えられないと、さらなる作業ミスが起こり、プロジェクトの遅延に繋がりかねません。
状況を相手にわかりやすく伝えられる文章力はSEには必須なのです。
最近ではテレワークをする人が増えているため、これはSEに限らず多くの方にあてはまるかもしれませんね。
まとめ
パソコンと向き合い続けるSEの仕事は一見孤独なようですが、パソコンを通じてたくさんの人と接する仕事なのです。
プロジェクトをスムーズに進めるには、メンバーと適切なコミュニケーションをとるための文章力と読解力が重要だと気付かされた6年間でした。