ここ数年は、写真、映像、音楽と、フリー素材のお世話になりっぱなしです。
中でも特に、<写真>は動画のサムネイルにも使う、利用頻度の高いもの。
ただ。
サムネイル画像というのは動画の視聴率を決める重要な存在にもかかわらず、いつも「どこかの誰かと同じ写真を使う」というのは、クリエイターとしての自意識をチクリチクリと刺激してきます。
その上、いくらフリー素材が世にたくさんあると言っても、あまりにもよく使うため慢性的に「足らない」と感じています。
そこで、自分専用のフリー素材集を自分で用意しておけばいいんだ、と思ったわけです。
なんだ簡単なことじゃないか、と。
ところが、コトはそう簡単ではなかったのです。
きれいな写真ほど、フリー素材に見えてしまう虚しさ
コロナ禍以前の僕はよく旅行に行っていたので、過去の写真を漁ってみました。
ところが、「いい感じ」と思って選んだその写真がフリー素材に見えて仕方がないのです。
頑張って撮っても、いやむしろ、きれいに撮るほどフリー素材に見えてしまうのはあまりにも虚しい。
オリジナリティーが微塵も感じられない哀しみ
僕は雲の写真が好きで長年撮りためてきたので、次はここを漁ってみました。
しかし今度は、オリジナリティーが無さすぎる。
自分が撮った、という証がどこにも残せない。
バリエーションが出せない苦悩
いざ撮ろうと思って行ける場所なんて限られます。
そのため、近場で撮る写真は景色も同じで、いつもネタが似たようなものになってしまう。
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「自分だけのフリー素材」
これは意外とハードルが高いことに気付いてしまったわけです。
僕はここに2つの条件をつけました。
・オリジナリティーが感じられること
・目を引くこと
自分の機材を工夫して撮ってみる
素材としては使えるでしょう。
でも、まだまだオリジナリティーが弱い、と思いました。
これを見せても、「どこのフリー素材サイト?」なんて聞かれそう。
他のグッズを組み合わせて撮ってみる
いいのだけど、「これでは誰でも真似できる」と思いました。
フリー素材から離れようとするあまり、むしろフリー素材に囚われてしまってないか。
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まだ、ダメだ。
フリー素材のことは一旦忘れよう、と思いました。
目を引く写真素材を撮ることにフォーカスする。
そうだ、必要なのは【違和感】だ。
誰も持ってないものを、誰もやらないやり方で撮ろう
まず、自分の仕事に関係するミニチュアをせっせと集めました。
できる限り、精巧なものを。
そして、それらを使って違和感を狙ってみました。
さらに、タイミングを狙って撮りました。
桜の季節、雪の日、早朝、夕暮れ・・・。
自分の中に、何となく公式のようなものが出来上がっていく感覚がありました。
オリジナリティーのある一番の素材は自分自身だ
自分が生み出したものは完全オリジナルです。
描いたものや作ったもの、そして自分自身を使いました。
自分自身のフリー素材は、こんな風にサイト上でも使っています。
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というような試行錯誤の末、今では部屋中に余計なものが溢れてしまいました。
犠牲になったのは、整理整頓です。
ただ、「写真は、努力を裏切らないな」とは思っています。
みなさんも、オリジナルのフリー素材、挑戦してみてはいかがでしょうか。