「動画にナレーションを入れたい」と誰でも考えると思います。
プロのナレーターでなくても、友人や同僚などに声をお願いしたり、自分の声で吹き込むこともあるでしょう。
一方で、自動で声を生成する音声合成ソフトもいろいろ登場してきています。
今回は、スマホアプリ『コエステーション』を試してみました。
https://coestation.jp/consumer/coestationapp/
このアプリが面白いのは、いくつかの定型文を読むことで、自分自身の声(コエと呼ぶそうです)を生成、文章を読み上げてくれること。
つまり、このアプリがあれば、僕はしゃべらなくても、勝手に”僕の声”がナレーターになってくれる。
最初に登録とログインが必要です。
様々な文章が表示され、一つずつ読み上げていきます。
指定された文章を読み上げると、波形となって表示されます。
自分の声を波形として眺めるのは初めて、という方も多いんではないでしょうか。
段階別になっていて、たくさん読むほど精度が上がるそう。
僕は50文読み上げて”最初のコエ”が生成されました。
アプリ上に文章を打ち込み、スピーカーアイコンをタップすると、”僕”が読み上げます。
さあて、感動のご対面!?
結果・・・「うーん、そうなのかもしれないなあ」という感想。
声の印象というのは、声質そのものより、話すスピード感や抑揚など他の要素も大きく影響します。
実際、このアプリ上でも、感情や声の雰囲気を設定で変えられます。
もっとたくさんの読み上げをすればもっと精度は上がるのだと思います。
読み上げた音声は、共有ができますが、あくまで「音声が聞けるURLが発行される」というもの。
また、聞ける期間も限られます。
無料の範囲だからかもしれませんが、音声ファイルは保存はできません。
気になる点はあるけれど、このアプリを使って「自分の話し方を発見する」という使い方はできるかなと思います。
****
自分の声を冷静に聞いてみるという体験ができる
これが”自分の声”なのかどうかという議論はあるかと思いますが、一度冷静に自分の話し方を振り返る機会にはなるかと思いました。
自分が話す様子を聞く体験というのは、多ければ多いほど話すのが上達するのではないかと思うのです。
僕は講師をするとき、話しながら自分の声を客観視している自分がいます。
「あ、今ヒートアップしてる、落ち着け」
「口癖が増えてきてる。注意しろ」みたいに。
余談ながら、「今、広島弁のイントネーションになったな」と気づくことも増えました。
これは「オリカワさん、今のは広島弁ですか?」と指摘される経験を積み重ねてのことですね。
波形で自分の話し方の特徴をチェックできる
このアプリに話しかけるとこんなふうに波形が出ます。
黄緑になっているのは、音が大きく触れ切った箇所。
自分の話し方の強弱が分かります。
文中、「自分の声を波形として眺めるのは初めてという方も多いのでは?」と書きましたが、僕自身は自分の声の波形を最低毎週1回、ここ10年くらい見続けてきました。
僕の話し方の特徴は次のような傾向があります。
・冒頭強く、じわじわ声が小さくなる(白い矢印)
・口を開いたときに「クチャ」と破裂音が入る(赤い丸印)
普段から意識しているので、この程度に抑えられている、とも言えます。
インタビュー動画を編集するときは、声の波形にいろいろな特徴があることもわかります。
音声をビジネスで使うことが増えた今、手始めに自分自身の声を分析してみるのも面白いかなと思います。