思わせぶりなメールに書かれているURLをクリックさせ、悪質なサイトへとアクセスさせるのはフィッシング詐欺の常とう手段。しかもその手口は次々に新しくなるため気をつけなければなりません。
宅急便の不在通知を装った迷惑メール
最近はこんな迷惑メールが届き、「これは引っかかる人が多いだろうなあ」と感心してしまいました。そのメールの画像がこちら。
ヤマト運輸のロゴも入っていますし、メール本文のレイアウトやデザインもしっかりしていますし、パッと見ただけではヤマト運輸からの不在通知だと思ってしまいますよね。でもこちらは迷惑メールなのです。
いったいどうやって見分ければいいのかというと、差出人の「ヤマト運輸株式会社」のメールアドレスを調べてみるとわかります。
ヤマト運輸のホームページのドメインは「kuronekoyamato.co.jp」。なのにこのメールのドメインはプロバイダー会社の「so-net」のものになっています。不在通知がプロバイダーのドメインから届くはずがないので、この時点で迷惑メールと断定して間違いありません。
また、このQRコードも危険です。決して真似はしないでほしいのですが、カメラアプリでQRコードにフォーカスを合わせるとURLが表示されます。するとそのURLも「kuronekoyamato.co.jp」ではなく「google」のドメインとなっていました。
この先に進んでしまうとフィッシング詐欺の被害に遭う可能性がありますので、メールアドレスを見て判断するのが確実です。
楽天市場の「お買い物マラソン」開催のタイミングだった
そもそも宅急便が届く心当たりがなければ、不在通知のメールが届いても怪しい気配を感じ取れるはず。ですが、このメールが悪質だったのは楽天市場が「お買い物マラソン」を開催していたタイミングだったのです。
私もちょうどいくつか買い物をしたあとだったので、宅急便が届くことに違和感がまったくありませんでした。また、品名に会社名が入っているのも楽天市場で購入した商品っぽいんですよねえ……。
調べてみるとこの「マスクフジコー」というのは実在していて、空気清浄機などを販売している会社でした。これもまた悪質です。
本格的な冬を迎える前に、今回の楽天市場のセールで空気清浄機を買ったという方も多かったはず。たまたま「マスクフジコー」の空気清浄機を購入した方に偶然このメールが届いてしてしまったら、なおさらメールを開いてしまうはず。そこまで巧妙に考えられているとは……!
すべてはメールアドレス確認で解決できる
あまりにも偶然が重なってしまった場合は気づくことも難しいかもしれませんが、迷惑メールは基本的に差出人のメールアドレスを確認すれば気づくことができます。
もし少しでも怪しいと思ったら、まずメールアドレスのチェックをするように心がけましょう。