動画を見てもらうには冒頭の「つかみ」が大切。
これは誰もが理解しているでしょう。
しかしその「つかみ」って、どうやって考えたらいいのでしょうか。
YouTubeの視聴数の変化
僕のYouTubeのアナリティクス画面を見てみます。
【サンプル1】ポイントを一つずつ解説していく構成の動画
時間が経つにつれ、じわじわと視聴数が下がっていく。
ただ、内容に興味を持った人は最後まで見てくれるので、平均試聴時間も長い。
【サンプル2】前半で問題を指摘し、後半に解決策を提示する構成の動画
解決策が現れた瞬間に、視聴数が上がっていく。
一方、答えだけ知りたいからなのか、平均試聴時間も短い。
2つのサンプルを見ただけでも、人の興味関心というのは、とても分かりやすく解説がつくもの、と言えます。
さて、この2つの動画は、大きな共通点もあります。
冒頭の数秒で一気に視聴数が下がっていることです。
どんな動画を作ろうと、「つかみ」は大切なのです。
なぜ「つかみ」が大切かというと、そこでつかまないと、その先を見てもらえないからです。
つかみの研究にはTikTokがいい
数秒で見る人をつかむにはどうしたらいいか。
参考になるものはないかと考えて、TikTokが思い当たりました。
実際に見てみると分かりますが、どんどん画面をスクロールすることになります。
で、気になったものだけ手が止まる。
この「手を止めるための施策」は、真似ができるのではないか。
そう考えて、しばらくTikTokを眺める日々が続きました。
パッパと見ていき、目に留まったものを選び、なぜ目に留まったのか、その仕組みは何かを自分なりに考えてみたのです。
※尚、素敵な女性に目が止まる、というのは分析から外しました。
TikTokの動画のタイプを分類してみた
全てを見たとはとても言えませんが、次のように分類してみました。
<とにかくしゃべくり系>
【内容】
・「コレやってる人は今すぐやめなさい」など危機感を煽る
・「見ると後悔する胸糞映画TOP3」など情報紹介
【見せ方】
・画面いっぱいに人が登場し、まず何を話すかをずばり言い切り、その後しゃべり倒す(ように編集する)
・間髪入れず、次々パンチを繰り出すようにテロップを表示する
<ぐいぐい読ませる系>
【内容】
・「日本の高額納税者トップ10」などのランキング情報
・「この地であった恐ろしい事件」などニュースや雑学
【見せ方】
・映像・画像をパッパと切り替えながら、どんどんテロップを読ませる
・出演者もおらず声もない
<ついつい見ちゃう系>
【内容】
・「ちっちゃなモモンガが飼い主に飛びついてくる」など可愛い動物
・「足がすくむような高所の映像」「達人の凄ワザ」など目を見張る映像
・「世界の絶景」「秘境の隠れ家温泉」など息を飲むような光景
・「ドッキリ番組」「手品の種明かし」などバラエティー映像
・「木を削っていくとすごいものができあがる」など早回しものづくり映像
【見せ方】
・視覚的に主張しているので、テロップが無いことも多い
・早回しやジャンプカット編集など、ダラダラしない編集の工夫が見られる
<ちょっと参考になる系>
【内容】
・「エクセルの小技」などテクニック紹介
・「料理の仕方」など実演映像
・「デザイナーが使う素材サイト3選」などお役立ちネタ
・「実際の映像とそのメイキングシーン」のような舞台裏紹介
【見せ方】
・実際の操作画面を見せながら、テロップで補足
・手元を見せながら、テロップで補足
TikTok流「つかみ」の分析
TikTokならでは、の要素もあるとは思いますが、次の通りまとめてみます。
◎話し方の特徴
・短い文章で畳み掛けるように話すことで飽きさせない(言葉と言葉の間を究極まで削る)
・身振り手振りが大きいので、つい見てしまう(人は動くものを目で追ってしまう)
・カメラ目線で話すことで、身近な雰囲気が出る(好き嫌いは分かれそう)
・言葉をすべてテロップで表示し、音を出さなくても見られる
・テロップも大きく装飾してて、内容が頭に入ってきやすい
◎見せ方の特徴
1)上3分の1くらいにタイトルがあって
2)真ん中の映像を見て
3)興味持ったら名前(@部分)を見て
4)タグや説明文を見る
ほとんどが縦画面での視聴になるため、見る人の目線は上から下に流れます。
それを意識して文字が配置されてるなと思いました。
◎「つかみ」は次の3種類のどれか
A)まず何を話すか、をずばり言い切る
B)何が始まるか、を短いコピーで説明する
C)冒頭の映像で「もっと知りたい」「もっと見たい」と思わせる
勝負は1秒で決まる
「まず何を話すか、をずばり言い切る」
これが最も大切だと思いました(改めて)。
しかも、勝負は1秒程度。
1秒なんて無理だよ、と思った方へ。
【1秒で伝えるのではなく、1秒で分かってもらう】
伝えようとするから、あれもこれもと情報過多になるんだと思います。
大事なのは、まず「ああ」と分かってもらうこと。
例えば、オススメの旅行先を紹介する動画があるとします。
これを伝えようとすると、
「温泉もあって、景色もよくて、海鮮が美味しくて・・」とまとまらなくなる。
これを分かってもらうなら、
「お疲れのアナタに、リフレッシュできる温泉地の情報」と言い切る。
1秒で分かってもらった上で、その後、その内容に興味を持つかどうかは相手次第。
まとめ
この内容をYouTubeなどPR動画に置き換えるなら、「つかみ」は二段階だなと思いました。
STEP①【サムネイル】1秒で選別される(興味あるか・どーでもいいか)
STEP②【冒頭の5秒】相手の選別が間違ってなかったかどうか試される
僕はやらないとは思いますが、TikTokもいろいろ勉強になりました。
「1秒で分かってもらう旅」は、これからも続くのです。