先日、人気お笑い芸人の「ミキ」の2人が京都市から100万円を受け取り、4回に渡ってTwitterで京都市をPRする投稿をしていたことが報じられ問題となっています。
漫才コンビのツイート1回に50万円 京都市が吉本とPR契約 識者「驚く額、誤解与える手法」 https://t.co/DNoWltSbKw
— 京都新聞 (@kyoto_np) October 27, 2019
有名人がお金を受け取ってPRを行うこと自体は問題ありません。しかし、広告であることを隠して宣伝行為を行うことは“ステマ(ステルスマーケティング)”と呼ばれ、消費者を騙すような行為となってしまいます。そのため、金銭の受け渡しが行われた広告投稿の場合は、広告であることがわかるように「PR」「提供」といった表記をするようガイドラインで定められています。
今回は金銭の受け渡しがあったことが明らかになっていながらも、京都市と吉本興業はステマ行為だとは認めていないことや、そもそも4回に渡るTwitter投稿で100万円も支払われたということを問題視する声が上がっているのです。
この投稿がステマに該当するのかしないのかという問題はさておき、今回はツイート1回あたり25万円という金額が高額なのか妥当なのかということを考察してみようかと思います。
日常の他愛もないことばかりをツイートしている一般人にとっては、ツイート1回で月給並みの報酬が発生するなんて信じられない話かもしれませんが、データに基づいて調べてみるとそこまで法外な金額ではないといえることがわかります。
今日から京都市営地下鉄各駅に京都市と京都国際映画祭のコラボポスターが掲示されています!
ミキのポスターは烏丸御池駅に!他のポスターも探してみてくださいね~!なんと今くるよ師匠のスペシャル構内アナウンスも!#京都市盛り上げ隊 #京都国際映画祭2018#コラボポスター#京都市営地下鉄 pic.twitter.com/6l9RIiHFL8— ミキ 亜生 弟 (@mikiasei) October 6, 2018
こちらは問題となったツイートのひとつで、2018年10月に投稿され、2019年11月3日現在で2100件超のいいね、168件のリツイートを集めました。この投稿が実際にどれだけの人のタイムラインに表示され、どれだけのクリック数があったのかはわかりません。
ここで参考までに、私個人のアカウントで過去に470リツイート、1400いいねを集めたツイートのアナリティクスを見てみましょう。
私のそのツイートはTwitterのタイムラインに合計35万回以上表示され、7万人以上がツイートの画像をクリックし、リンクをしていたページにも3600回超のアクセスがありました。そして当時の私はおそらく1000人程度のフォロワー数だったと思います。
ミキの二人がこの投稿をした当時にどれだけのフォロワーがいたのかはわかりかねますが、2019年11月現在で二人とも10万人を超えるフォロワーがいるため、このツイートがタイムラインに表示された回数は間違いなく数百万回以上にのぼるでしょう。
ツイート内でリンクされているURLがクリックされた回数はユーザーがどのくらい興味を示すかによって変わってきますが、私の過去のツイートと同じ比率で計算すると、余裕で1万回を超えるクリックがあったと推測できます。
人気お笑い芸人のミキが興味を持っているとブランディングでき、クリック単価20円くらいでサイトも宣伝できると考えれば、かなりコスパのいい宣伝だったといえるのではないでしょうか。
ちなみに、私の個人アカウントで過去に1万件超のリツイートと4万件に迫るいいねを集めたツイートのアナリティクスは以下のようになっていました。
なんとツイートの表示回数は300万回を超え、画像のクリック数は34万回を超えました。ものすごい数字です。Twitterでバズると大きな宣伝効果があるということがおわかりいただける数字ではないでしょうか。SNSのなかでも特にTwitterに力を入れる企業が多いのにも納得ですよね。
ミキの問題の投稿に「PR」「提供」などと明記されていれば拡散数やクリック数が減ってしまうとは思いますが、ミキの4ツイートで100万円という費用感はさまざまなWeb広告の相場と比較しても決して高額すぎることはないといえるでしょう。