クラウドソーシングを使ってアンケート調査をやってみました
《前編》初めてでもわかる「ランサーズ」のアンケート機能

接客業、小売業、製造業でもそうだと思います。何かの事業に携わっていると「お客様に良く思われているのか?」「本当に役立っているのか?」など気になることが出てくるもの。そんなときに便利なのがWebアンケートサービスです。

「Webアンケートサービス」と検索すればたくさんのサービスを見つかりますが、その内容はまさに“ピンキリ”。数十万〜数百万をかけてプランニングからデータの解析まで行ってくれるサービスもあれば、制限付きでフリープランを用意しているサービスもあります。また、フォームを作って集計するだけならGoogleフォームで1円もかけずにデータを収集できます。

しかし今回はそれらのサービスではなく、クラウドソーシングのアンケート機能を紹介します。

 目次
  • クラウドソーシングで「勤務先のホームページについてのアンケート」
  • 1回答あたり5円程度の報酬設定でも回答を数多く集められる
  • 予算10,000円想定でやってみました!
  • 設問数に上限ないが、条件付きの設問ができない
  • アンケート開始後、予期せぬトラブル
  • 「承認」した回答に対して報酬を支払えばいい
  • 5日間で265件。回答はCSVダウンロード
  • クラウドソーシングで「勤務先のホームページについてのアンケート」

    クラウドソーシング自体はもうご存知の方のほうが多いかもしれません。
    クラウドソーシングにはデザイナーやライター、エンジニアなど、フリーランサーや、在宅でスキマ時間に仕事をしている主婦、副業を探しているサラリーマンなどが登録しています。
    そういった人材と、人材を探している企業を繋ぐサービスのことをクラウドソーシングというのです。

    「ランサーズ」と「クラウドワークス」がともに業界最大手。実はそのどちらも、登録している会員を対象にしたアンケートを行う機能が用意されているのです。

    今回は、ランサーズを利用して「勤務先のホームページについてのアンケート」を実施してみました。

    ランサーズのTOPページ

    ランサーズでのアンケートはランサーズの登録会員が対象となるため、回答内容に偏りが出るのではないかと心配される方もいらっしゃるでしょう。

    ですが、「働き方改革」とコロナ禍の影響でモートワークが一気に普及して、年齢や性別を問わず多くの人がランサーズにも登録し、副業としてお金を稼ぐチャンスを狙っています。アンケートの内容次第ではランサーズでも十二分な回答を得られるはずです。

    1回答あたり5円程度の報酬設定でも回答を数多く集められる

    ランサーズではどのような形でアンケートを、どのくらいの費用感で発注をすることができるか。
    まず発注者向けのアカウントを作成して、他社がどんなアンケート募集を行っているかを調査してみました。

    他社の募集を調査

    アンケートや簡易タスクの一覧には報酬金額が表示されているのですが、どうやらアンケート1回答あたりの報酬もまたピンキリ。1件5円程度の安いものもあれば、1件100円以上のものもあるようです。

    報酬はアンケート内容に合わせて任意の金額を設定できるようで、1分もかからずに回答できるアンケートは10円未満に設定されているものが多く見受けられました。

    そして、報酬を10円未満に設定していても1,000件以上の回答を得られているものも多くありました。

    上の画像の「作業数 〇〇 / ○○件」と表示されている箇所は、募集している回答数に対して実際に投稿された回答数を示しているのですが、報酬8円のアンケートでも7,000件に迫る回答を集めていました。

    1回答10円に設定すれば、1,000件の回答を集めても1万円。100件の回答で十分なら1,000円でアンケートができる計算になります。予算に合わせて使いやすいサービスだといえるのではないでしょうか。

    予算10,000円想定でやってみました!

    予算に合わせて使いやすそうなランサーズのアンケート機能。実際に利用してみるとどの程度のアンケート結果を集められるのか気になります。

    そこでウェプレス編集部では10,000円までの予算を想定してアンケート機能を実際に試してみることにしました。調査内容は「勤務先のホームページについて」。

    会社員の方に向けて自社ホームページについてのイメージや認識について伺ってみます。

    設定画面の入り口

    まずはランサーズにログインした状態で「依頼を作成」ボタンをクリック、依頼したい仕事内容を「タスク・作業」「モニター・アンケート・質問」と選択し、仕事の頼み方を「タスク方式」にして進めていきます。するとすぐにアンケート内容の入力画面が表示されました。

    アンケートの機能として使えるのは単一項目を選択できる「ラジオボタン」と「プルダウン」、複数項目を選択できる「チェックボックス」。そして自由に文字入力できる枠は1行と複数行のものが用意されていました。文字入力枠には文字数制限や必須ワード、重複チェックの機能もあるようです。

    アンケート内容の入力画面

    設問数に上限ないが、条件付きの設問ができない

    設問数には上限がないので、これだけの機能があれば簡易的なアンケートは十分取ることができるでしょう。

    ただし、アンケート内に画像を貼り付ける機能はありませんでした。

    動画や音声なども含めたメディアファイルについての意見や感想を集めたい場合は、メディアファイルを外部サイトにアップロードし、そのURLを貼り付けて紹介することになります。

    また、「前の設問でYESと回答した方にお尋ねします」といった条件付きの設問を作ることも難しいようです。「〇〇の方だけお答えください」と書くことはできますが、該当していない人も回答できてしまいます。そのため条件付きの設問を作った場合は回答の精度も下がってしまうでしょう。

    NGワードなどの設定画面

    次にNGワードの設定や文体に関する設定を行い、作業単価や件数、源泉徴収の有無、作業の締切日時などを設定します。

    今回のアンケートでは作業単価を10円(税込11円)、件数を1,000件、締切を5日間で設定してみました。アンケートの内容は以下の画像のとおりです。

    「勤務先のホームページについてのアンケート」

     

    また、依頼内容を目立たせるためのオプションプランもいろいろと用意されていました。「急募」の表示をつけるとプラス7,700円、仕事一覧ページの最上部の枠にランダムで表示される「PRダイヤモンドオプション」はプラス16,500円など、場合によっては作業単価を上げるよりも効率的に回答を集められそうな料金設定ですね。

    アンケート開始後、予期せぬトラブル

    すべての設定を終え、ガイドラインに同意して公開設定をすると、ランサーズ運営事務局での承認を経てアンケートが公開されました。

    すると瞬く間にアンケートの回答が殺到。なんと開始から数時間で200件以上の回答を集めることができました。すごいスピード感です。

    ところが寄せられた回答一覧をチェックしてみると、あるユーザーから80件も回答が寄せられていることが判明。自由入力欄にはすべて一字一句同じ内容が入力されていました。

    残念ながらこういったタチの悪いユーザーも存在しているのですね。

    「ランサー」項目に同じユーザーIDが表示されていました

    ユーザーの回答回数を制限することはできない仕様になっているようです。

    今回のアンケートは一人が何度も投稿するべき内容ではありませんでしたが、例えば「簡単な企画の提案」や「短歌の投稿」などといった用途に使うのであれば一人が何度投稿しても問題ありません。アンケートに特化した機能ではなく、そういった用途でも使うことができる機能になるため、ユーザーの投稿回数を制限することはできない仕様になっているようです。

    「承認」した回答に対して報酬を支払えばいい

    では、このように“荒らし”に近いような行為を受けてしまったときに泣き寝入りをするしかなくなるのかというと、そんなことはありません。アンケートは1件ずつ「承認」をすることで報酬の支払いが確定します。内容を確認して問題があれば「拒否」をすることで、アンケートの内容の精度を高めることができるのです。

    ただし、拒否できる数は承認した数の3割未満となっています。悪質なユーザーはブロックすることもできるので、アンケート開始後は進捗を気にかけて、悪質なユーザーからの投稿があった際に早めに対処できるようにしておくことがベストでしょう。

    また今回は途中から依頼概要に「タスクはお一人様1回までとさせていただきます」と追記してみました。するとその後は数名が数件の重複投稿をしただけで済み、アンケートの精度が高まりました。投稿者としても拒否される可能性があるとわかれば無駄な労力をかけないはずですし、注意文を入れるだけでも大きな効果がありそうです。

    5日間で265件。回答はCSVダウンロード

    そのまま5日間に渡ってアンケートを行った結果、投稿のペースは日に日に落ちていき、最終的には265件の回答を集めることができました。すべての回答に対して承認もしくは拒否の処理を行うと金額が確定し、支払い処理を済ませたらアンケート結果をCSVファイルでダウンロードできるようになります。

    「支払い確定」画面

    悪質な回答をフィルターにかける手間はかかりましたが、約3,000円で265件のアンケートを回収できたと思えばかなりリーズナブルだったと思います。

    回答数をもっと集めたい場合は途中からでも回答期間を延長したり、作業単価をアップしたり、オプションを使って一覧の中で目立たせることもできます。アンケートの件数を確実に集めたい場合は、回答が思いのほか集まらなかったときのために予算に余裕を見ておくといいかもしれません。

    ちなみにCSVファイルとはComma Separated Valueの略で、「カンマで区切った値」という意味です。Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシート、MacやiPhoneのNumbersなどで開けば表になった状態でデータを閲覧できます。

    ダウンロードした「回答」のCSVファイル

    ▼後編へ

     


    ◇文/野島慎一郎 ◇企画・構成/ウェプレス編集部

    後編では今回集めたアンケート結果をもとに、会社勤務の方が自社のホームページについてどのように考えているのかを実際にまとめてみます。3,000円程度の費用でどの程度の結果が得られたのか。参考にしていただけると思います。

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