監督、と名のつく役目の人は、特定の集団の中心人物。
まわりから「あの人が監督だ」とわかりやすいことが望ましいと思っています。
僕は長年、仲間内で短編映画を作ってきました。
基本、スタッフはわかりやすい。
カメラマンはカメラのそばにいるからわかりやすい。
録音さんや照明さんも機材があるからわかりやすい。
メイクさんも腰に道具を下げてるのでわかりやすい。
・・・じゃあ、監督は何をもって監督っぽくなるのか。
試したけど使わなくなったもの
これまで、「これがあれば」と思って使ってみたものの、途中でやめてしまったものを挙げます。
(1)カチンコ
これは助監督の持ち物。監督は持たない。
わかりやすいですけどね。
(2)腰につける道具入れ
美容師や、建築作業員が腰につけている道具入れバッグ。
あれに憧れて、自分用のものを革作家に作ってもらったことがあります。
自分が使いたい、シナリオ、絵コンテ、ペン2本、キャップ入れ、予備バッテリーなどなどを入れるためのもの。
しかし、細々したものを持てば持つほど「助監督」に近づいていく、というジレンマもあって使うのをやめました。
(3)ビューイングフィルター
撮影現場で、太陽光のもとで役者がどのように写るかを確認するためのもの。
こういう専門用具にはすごく惹かれるのだけど、これもまた、そもそもカメラマンや照明さんが使うもの。
今、僕が愛用してるもの
結局、今僕が使ってるのは2つだけ。
これらを持ってる人をあまり見たことがなく、独自性を感じられるのもポイントが高い。
ちなみにどちらも、意外と結構なお値段します。
(1)絵コンテホルダー
これは大活躍してます。絵コンテ、シナリオを挟んで持ち歩けるホルダーです。
三つ折りにすることで、お尻のポケットにもつっこんでおけます。
(2)ディレクターズファインダー
ハリウッドの監督が使ってるのをみて、憧れて入手しました。
映画カメラのレンズ部分を独立させ、景色をどう切り取るか・どう見えるかをチェックするためのもの。
ただ正直、首から下げるだけで、あまり使っているとは言えません。
初心者ワークショップで使うもの
僕はあちこちで映画制作ワークショップを開催していますが、そこで初心者監督のために用意する道具もあります。
(1)ハンディモニター
初心者監督には、iPadを「モニター」として持ってもらってます。
カメラの映像がiPadに飛ばされ、ここで構図や役者の動きをチェックしてもらう。
ただし僕の経験上、初心者はほぼこういうポーズになります。
・・・モニター(iPad)が意味がない。
(2)メガホン
子供向けワークショップの際は、監督にはメガホンを持ってもらいます。
様になってわかりやすい。
ただ、僕自身は、撮影はメガホンは使いません。
「なんだなんだ」と、余計な野次馬を集めてしまいがちだから。
まとめ
サッカーなど、一部のスポーツの監督は、スーツを着てるイメージも強い。
(野球は違いますね)
ベレー帽やサングラスをかけると、黒澤明。
服装で違いを出す、という作戦もあるのかもしれません。
結局、撮影現場で「一番しゃべってる」のが監督なのかな、と思います。
もうすぐ、映画制作ワークショップの第28回が始まります。
僕は監督というかプロデューサーですが、開催期間中、誰よりもしゃべります。