「宅ふぁいる便」はメールに添付できないサイズのファイルを送るのに便利なファイル転送サービスのひとつでしたが、2019年1月に不正アクセスによる大規模な情報漏えいが発生し、以来ずっとサービスを停止していました。
宅ふぁいる便の情報漏えいがヤバい! 会員登録していた人はパスワードの変更を!
http://wepress.web-magazine.jp/2019/02/04/takufilebinnrouei/
宅ふぁいる便ではサービス停止中に原因や被害状況の調査、セキュリティの点検、さらなる利便性の向上について検討を重ねてきたそうですが、安心して使えるサービスを提供するためには相当程度のシステム構築が必要なことが判明。再構築に要する時間や費用を踏まえて総合的に判断した結果、なんとそのままサービス終了することが決まったようです。
「宅ふぁいる便」サービス終了のお知らせ
https://www.filesend.to/
情報漏えいが判明したときもそうでしたが、いったいどれだけ古い環境をアップデートしないまま使い続けていたんだろうと思ってしまいますよね。宅ふぁいる便がサービスを開始したのは1999年のこと。国内のファイル転送サービスのまさに草分け的な存在だったのですが、目まぐるしく環境が進化し続けているインターネットにおいては必ずしも「老舗=安心」とはならないと気付かされる一件でした。
今後使うべきファイル転送サービスは?
ここからは個人の見解となりますが、以前私は「Firestorage(ファイアーストレージ)」というサービスを最もよく利用していました。特にこだわりはありませんでしたが、操作が簡単で、やっぱり昔からよく聞くサービスということで安心感を持っていました。
ところが近年はホームページをSSL化させることが当たり前となりつつあるなか、FirestorageはいまだにSSL化されていません。有料会員になればSSL通信でファイルを送ることができますが、ほかの無料ファイル転送サービスがSSL化されているなかでFirestorageで有料会員になる選択肢は考えにくいですよね。
私が現在最も利用しているのは「ギガファイル便」です。こちらは最大200GBまでのファイルを無料かつSSL通信で転送できるので、基本的にはこちらを使っていれば問題ないと思っています。
ただ、つい先日にTwitterでギガファイル便のサービス規約などがずさんなことを指摘するユーザーが現れ、ギガファイル便の公式アカウントが謝罪をするという一件もありました。
ギガファイル便というサービス、
・アップロードしたファイルの取り扱いについて規約がない(もうこの時点でアウトだと思うが)
・運営会社は代表取締役の氏名なし(かなり黒い)
・住所と電話番号の地域が合ってないし電話番号は別名義会社(アウトじゃね?)
使わないほうがいいと思うけど。 pic.twitter.com/L9aj063I5z
— 未識魚 /中川譲@C97 30日西G33b (@mishiki) January 19, 2020
現在、お騒がせしている件について
弊社は技術者のみの会社(事務が一人)で、いろいろと手が回っていない部分もあり
この度は、皆様に不安を抱かせてしまい大変申し訳ありません。現在、プライバシーポリシー・利用規約を修正中ですので近日中に改めて公開いたします。
— ギガファイル便 (@GigaFile_TV) January 20, 2020
運営会社の情報が正確でなく、サイトに掲載されている規約を読む限りではアップロードしたファイルを内部の人が閲覧しないと言い切っていないという指摘に対し、公式アカウントでは「事務が一人しかいないため手が回っていなかった」「近日中に対応する」と弁明しています。
これが事実だとしても、事務が一人しかいない規模の会社が運営しているサービスに情報漏えいしたら困るファイルをアップロードするのはちょっと怖いな……と感じてしまいますよね。
そのため、誰かにある程度重要なファイルを送りたい場合はファイル転送サービスではなく、DropboxやGoogle Drive、iCloudなどのストレージサービスを使って共有するようにしています。ちょっと面倒に感じる人が多いかもしれませんが、やっぱりAppleやGoogleなどの大きな会社が提供しているサービスなら安心なのです。