IT関連ビジネスにおいて、最も注目されている技術のひとつAI。
先ほど行われた講演でMicrosoft社CEO(最高経営責任者)のサティア・ナデラ氏が「今後、全てのアプリケーションにAIが組み込まれていく」と発言しニュースになりました。
どうしてすべてのアプリケーションにAIが組み込まれることを予想しているのか
キーワードは「ビッグデータ」と「ディープラーニング」です。ナデラ氏は「各社のサービスやアプリケーション上で個別に管理している顧客データを、今後ユーザー企業がそれぞれのコントロール下で統合し、活用できるようになる」としており、多くの企業にとって、顧客が製品やサービスを利用する際の情報収集が、さらに重要になると言っています。
今は収集したデータを元に様々な分析を行うといった手法が一般的ですが、商品やサービスをコントロールするアプリケーションにAIが搭載されていたら、企業はAIが分析した情報だけを得れば事足りるようになっていきます。
声で反応するというユーザービリティの技術が進歩など
AppleやGoogleでは提供しているアプリケーションの中には、すでにAI技術とりわけディープラーニングを搭載しています。「OK Google」で知られるGoogle HomeもAI技術をふんだんに使っています。
今後、目で捉えて手で入力するといったユーザービリティから、耳で捉えて声で反応するというユーザービリティの技術が進歩すれば、日常で使うアプリケーションの多くは、AI技術で出来上がっていくでしょう。また営業ツールなどにもAI技術は浸透しつつあります。
顧客の対応やメール対応をディープラーニングで分析することによって、ベテランのスタッフが行っているスキルをすべて平準化でき、効率的な営業が可能になるでしょう。
コンピュータで何をすべきか
一方で、データをどのように活用すべきなのか考えることが迫られます。
ナデラ氏は「ベンダーには『コンピュータで何ができるのか』だけではなく、『コンピュータで何をすべきか』を慎重に考える必要が生じてきている」とも言っています。
技術と倫理観やコンプライアンスを両立させて、AIは全てのステークホルダーに良い影響を与える技術になります。