10年後の未来を創造する電気自動車「Honda e」試乗体験レポート②
今大注目の「Honda e(ホンダ イー)」を試乗。前編に続き搭載機能を本音レポート。Wi-Fi感度、充電、燃費など気になっていたことも体感した。
- 目次
- Wi-Fiも接続可能! HDMIでディスプレーに映像を表示させることも
- スマホアプリで遠隔操作 エアコン操作や「し忘れ通知」機能も
- 気になる燃費は? 実際に街乗りして気になった点
- 街の充電スタンドで30分急速充電してみた
- Honda eを通じて感じる10年後の未来
Wi-Fiも接続可能! HDMIでディスプレーに映像を表示させることも
Hondaが提供しているオプションサービス「Honda Total Care プレミアム」に加入すると、なんとHonda eの車内でWi-Fiに接続できるようになる。
車内にはHDMI端子も用意されているので、スマホやタブレットを車内Wi-Fiと接続してYouTubeやNetflixなどの動画配信サービスを開き、HDMI端子を経由すればディスプレーで視聴も可能。家族での移動中に渋滞に巻き込まれ、お子さまが退屈してしまっているときにも安心だ。
もちろん車内Wi-FiとHDMI端子があれば、ノートPCと接続して車内で効率的にデスクワークをすることだって可能。天気がよければ息抜きで公園や河原までドライブし、車外に出て作業をすれば最高の気分転換になるだろう。
ちなみに公園でHonda eから10m程度離れて車内Wi-Fiに接続してみたところ、速度は低速であったため動画視聴や大型ファイルのアップロードなどは難しそうだったが、メールチェック等は差し支えなくできるレベルだった。公園や河原でバーベキューをしながら、駐車場に停めているHonda eの車内Wi-Fiに接続したりすることも条件によっては可能なはずだ。
また、Honda eにはHDMI端子のほかにUSB端子や100V AC電源(1500W)装備されているため、スマホやPCなどをいつでも充電することができる。電気自動車はいわば巨大なモバイルバッテリー。家電も問題なく使用することもできるため、災害時などにも大活躍することだろう。
スマホアプリで遠隔操作 エアコン操作や「し忘れ通知」機能も
Honda eに導入されているアプリ機能や車内Wi-fi機能などは次世代コネクテッド技術「Honda CONNECT」と呼ばれ、離れた場所からでもスマホアプリからHonda eを操作することができる機能も用意されている。
遠隔で電源のオンオフ、エアコンの操作やタイマー設定などの機能のほか、広い駐車場で停めた位置がわからなくなってしまった際に地図上で位置を表示させたり、ハザードランプとブザーでクルマを見つけやすくしたりすることも。
また、リモート操作をするだけでなくドアロックをし忘れたり、車内の電灯を消し忘れたりしたときに通知が届く「し忘れ通知」機能なども搭載されるなど、トラブルを事前に回避しストレスフリーなカーライフを過ごせるような工夫が詰め込まれている。
気になる燃費は? 実際に街乗りして気になった点
Honda eのみならず、電気自動車を運転するうえで最も気になるのは燃費性能だろう。ガソリン車やハイブリッド車は全国各地のガソリンスタンドでいつでも燃料を補給できるが、電気自動車ではそうはいかない。
Honda eの走行距離は市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な仕様時間配分で算出したデータ(WLTCモード充電走行距離)によれば283kmと発表されている。
今回は青山一丁目のホンダ本社ビルから出発し、渋滞に巻き込まれながらさいたま市の秋ヶ瀬公園まで移動し、撮影を終えた時点でのバッテリー残量は75%程度となっていた。移動距離にすると約35km。単純計算するとこの日のペースなら150km程度走れるということになる。Honda eが街乗り用のクルマということを考慮しても、フル充電で150kmしか走れないと思うとやはり心もとない。
街の充電スタンドで30分急速充電してみた
単純計算するとHonda eの今回の走行距離は150kmということになったが、一日に150kmまでしか走れないかというとそんなことはない。
現在、街には続々と電気自動車の充電スタンドが設置され始めていて、普通充電器が設置されているスタンドは全国に14,000ヶ所以上(2020年8月28日時点)、急速充電器が設置されているスタンドは7,700ヶ所以上(2020年5月時点)あるという。
※参考:ガソリンスタンド数や急速充電スタンド数の推移をさぐる(2020年公開版)|Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20200830-00195687/
Honda eには最寄りの充電スタンドを検索できる機能が用意されていて、一覧から選択すればスタンドまで一発でナビゲーションしてもらえる。急速充電の有無やスタンドの空き状況まで確認できるのがありがたい。
一覧を見ると公共施設や大型ショッピングモールだけでなく、コンビニやファミリーレストランといった施設にまで充電スタンドが設置されているのは驚きだ。
しかし、昼食がてらファミリーレストランで食事中に充電を済ませようと考え移動してみたところ、充電スタンドに一般車が駐車し、充電できない状態になってしまっているというアクシデントにも見舞われた。電気自動車に乗っている人だけでなく、一般的にも電気自動車に対する認識を広めていく必要があるのかもしれない。
結局、市営駐車場に設置された急速充電スタンドにて充電をおこなうことに。利用料金は施設により異なるが、基本的にはNCS(合同会社日本充電サービス)のカードを発行し、月会費を支払うことで決められた料金で充電器を利用できるようになる。
急速充電器専用のカードを発行すると月会費が税抜3,800円、充電1分あたり15円という料金プランが適用され、登録時には手数料として別途1,400円が必要になるそうだ。
参考:NCSカードのご案内|NGS 合同会社日本充電サービス
https://www.nippon-juden.co.jp/tk/cd/
Honda eのボンネットには充電口が設置されていて、急速充電時はスタンドに用意されているケーブルを差し込み、機械を操作すればすぐに充電を始められる。
急速充電の時間は上限30分。どのくらいまでバッテリーが充電されるのか楽しみにしながら食事を済ませて戻ってみると、バッテリーはほぼフル充電の状態に。
今後、充電スタンドの数がさらに増え、ガソリン車がガソリンスタンドに行くのと同じくらいの感覚で充電できるようになれば、Honda eのような街乗り用の電気自動車でも遠くまで気兼ねなく出かけられるようになるだろう。
また、戸建ての住宅であれば自宅に普通充電器を設置することができる。普通充電器でフル充電するには夜から朝までかかると考えたほうがいいが、自宅で夜のうちに充電をしておけばいつでも満タンの状態で出かけられるというのはある意味ガソリン車よりも便利なのかもしれない。
Honda eを通じて感じる10年後の未来
10年後の未来を創造してつくられたというHonda e。その機能の未来性の高さも強烈なインパクトがあるが、テレワークが普及しつつある社会情勢や、災害に備えるという観点からも、これから先の時代にフィットしそうな印象を受けた。
Honda eの全国メーカー希望小売価格は451万円(税込)と高く、年間販売計画台数は1,000台とまだまだ簡単に入手できるクルマとはいえない。しかし、近い将来こんなクルマが増えていくと想像するのはとても楽しく、運転していてこんなにもワクワクするクルマもないだろう。
Honda eは全国のHonda Carsにて試乗体験も可能。興味のある方はHondaが描く10年後の未来を体験してみては。
Honda e
https://www.honda.co.jp/honda-e/