コロナ禍をきっかけに?
なかなか出口の見えないコロナ禍ですが、新しい働き方やビジネスモデルが注目される一方、ハラスメントも新しいものが取り沙汰されるようになってきました。今回は2つの新しいハラスメントについて考えてみましょう。
リモハラ(リモートワークハラスメント)って?
1つ目は「リモハラ」。リモートワークハラスメントの略称で、新型コロナウイルス(COVIT-19)の感染防止対策の一環で在宅勤務、テレワークが広がってきましたが、これに伴って問題化してきた非対面式、非接触型のパワハラやセクハラです。
在宅勤務、テレワークなどについては「通勤時間がなくなり時間が効率的に使える」とか「仕事と家事と両立しやすい」などのメリットを上げる声が多く聞かれますが、その一方、デメリットとして聞かれるのが、この「リモハラ」。
インターネットやWEBシステムを通してのやり取りが増えたことで、直接的な双方向のコミュニケーションが不足し、上司から部下への一方的な指示やメールがパワハラになったり、在宅勤務中にプライベートが垣間見えてしまうことでセクハラ事案も発生しています。
ワクハラ(ワクチンハラスメント)って?
現在、新型コロナ対策の「切り札」とされているのがワクチン接種。「1日100万件」を目指して自治体ごとに個別接種、集団接種が進められているに加え、大企業を中心に職域接種も加速しています。平日、職場や職場の近くでワクチンが接種できるのは、接種率を急速に高めるのに有効と思われますが、ここでも、新しいハラスメントが浮上していると言われます。それが「ワクハラ」(ワクチンハラスメント)。ワクチン接種に関する職場での配慮を欠いた言動や嫌がらせのことを指します。
ワクチンの職域接種が始まっていますが、職場には、持病やアレルギー反応によってワクチンを接種できない人もいます。また個人の考え方や様々な理由で接種を希望しない人もいます。そうした人たちに「みんなが接種しているのになぜ接種しないの?」「ワクチンを接種しないなら出社しないで」などと発言することは、嫌がらせや同調圧力になり、ハラスメントになり兼ねません。
予防接種法では、接種を受けるよう努めなければならないとされていますが、強制することは認められていません。あくまで個人が副反応など納得した上で、接種の可否を判断するものとされています。健康上の理由はもちろん、様子を見たいという接種猶予についても尊重する必要があります。
ハラスメント意識のアップデートと具体的な対策を!
2020年6月からパワハラ防止法が施行されるなど、ハラスメントに対する社会の目は年々厳しくなっています。職場におけるハラスメント防止意識の啓発と具体的な対策がますます重要になってきています。