アメリカの幼児向けモバイルアプリ広告の実態

今やスマートフォンは大人だけのものではなく、乳幼児にも利用が広がっています。

内閣府「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」(※1)によると、スマートフォンや携帯、タブレット端末などを利用している子供が全体で50%を超えており、端末を使用してネット利用もしている子供が約4割弱だとか。(0歳から満9歳までの子供の保護者2000名を対象とした調査)

またスマートフォンを使用した2歳児のネット利用率は22.7%で、3歳、4歳と年齢が上がるにつれて利用率も上昇。

しかも、ネット利用をしている子供のうち、半数以上がひとりで操作することがあると答えたとのこと。現代っ子は、動画視聴や写真の撮影などもさらりとやってのけますから、納得の結果ですね。

動画やゲームをさせていると子供は静かですし、忙しい時間帯などはつい頼りがちになってしまうことも理解できるのですが、アプリには広告がつきものです。

単にゲームや動画を見ているだけではなく、広告などそれ以外の情報にも子供が晒されている点も覚えておかなくてはいけません。

今回は10月末に海外で報じられたニュース記事をご紹介しながら、子供を取り巻くアプリ広告の実態についてお伝えしていきます。

モバイルアプリの巧妙な手口が明らかに

ニュース記事はアメリカのミシガン大学が行った、GoogleのPlayストアで利用可能な5歳以下の子供向けアプリ内に表示される広告に関する調査結果を報じています。

調査対象のアプリの殆どは広告が表示され、中にはアプリを使用する幼児には適さない詐欺的な広告手法が使われているものがあった、という内容です。

記事では、詐欺的な広告手法のいくつかを例示することで、幼児向けのアプリに表示される巧妙な広告の実態を伝えています。

たとえば・・・

・漫画やおもちゃに出てくる有名なキャラクターが課金を促す。(課金するともっと楽しくなると誘導する、課金をしないとキャラクターの表情が曇るといった演出)

・ポップアップ広告がゲームのプレイ時間と同じくらい表示される。(広告を見終わらないと閉じない仕様)

・幼児には不適切な、大人向けのバナー広告が表示される

ほかにも、幼児が操作しづらい、広告を閉じるための小さいボタン「×印」に目を付け、誤操作(別の場所を押してしまう)によってアプリストアや購入画面に誘導する手法が紹介されています。

この調査結果を受けて、20以上の団体からアメリカの監督当局に対して調査を開始するように要請が出ているようです。

当局が規制に動くかどうかわかりませんが、いたちごっこにならなければいいですね。

子供任せはダメ。親も中身をきちんとチェックしよう

今回ご紹介した記事はアメリカの幼児向けアプリの調査結果ですが、日本でもそういった広告手法が使われている可能性は否定できません。

幼児向けのアプリはゲームだけではなく知育(パズル)など数も種類も豊富で、利用するメリットは様々ありますがデメリットにも目を向けましょう。

子供がアプリを通じて文字や数字を学んでいるとき、もしくはゲームを楽しんでいる時間は、一方では広告主に標的にされている時間でもあるのです。

幼児が広告に対して脆弱であることを肝に銘じ、「楽しんでいるから大丈夫」と安易に考えず、親が自分自身で中身をチェックする習慣を持つことが大切ですね。

参考記事のサイト
https://www.bbc.com/news/technology-46030753
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/wkh-aim103018.php
https://medicalxpress.com/news/2018-10-advertising-kids-apps-prevalent-parents.html
https://journals.lww.com/jrnldbp/Abstract/publishahead/Advertising_in_Young_Children_s_Apps___A_Content.99257.aspx

※1内閣府「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」

 

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